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金融市場異論百出

いずれ「トラック運転手って何?」
労働者を脅かすテクノロジー

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年5月7日
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 シェールガス革命によるエネルギーコストの低下を主要因に、一部の製造業は工場を米国に戻し始めた。

 ただし、それらの工場はオートメーションが極限まで徹底された設計となっており、雇用の増加は限定的という報道が見られる。

 「タイム」誌(2013年4月22日号)によると、GEがニューヨーク州で稼働させたバッテリー製造工場は、敷地が1万8000平方メートルだが、フルタイムの従業員は370人しか居ない。製造現場に居る労働者はたった210人だ。製造ラインの1万カ所以上にセンサーが設置され、そこから送られてくる情報を少数のマネジャーがiPadで管理している。

 オーストラリアでは数年前に、鉱山のダンプカー運転手の年収が20万~30万ドルに跳ね上がったことがある。中国需要で鉄鉱石ブームが発生し、人手不足が深刻化したためだ。オーストラリア準備銀行のレポートも、04年から12年にかけて、鉱業の賃金だけが突出して増加していたことを示していた。

 わが世の春を謳歌した鉱山の運転手だが、最近は中国需要の低下とともに賃金はピークアウトしている。彼らにとってはさらに良くない材料がある。ある鉱山で自動操縦による無人ダンプカーが45台も購入された。自動運転の開発がより進めば、数十年後に孫に「おじいちゃん、トラック運転手って何?」と質問される時代が来ると「ウォールストリート・ジャーナル」は指摘している。

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