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アマゾンが家庭のキッチンに進出!
スーパーにとって大きな脅威か?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第293回】 2014年4月30日
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「アマゾン・ダッシュ」はテレビのリモコン程度の大きさ。バーコードリーダー、音声入力の機能を持つ(アマゾンのウェブサイトより)

 アマゾンが、一般家庭のキッチンへ攻勢をかけている。そのひとつが、“魔法の杖”である。

 これは「ダッシュ」と呼ばれる、基本的にはバーコードリーダーだ。だが、奇妙なことをやるアマゾンの新戦略のひとつである。

 このダッシュを使ってミルクやヨーグルトのバーコードをスキャンすれば、それらがアマゾンの買物かごに自動的に入るという仕組みである。バーコードをスキャンする代わりに音声で入力することも可能。スマートフォンの音声入力に驚いていたが、アマゾンは家庭の中にこんなかたちでその技術を取り込もうとしている。

50万点のほとんどが即日届く

 ダッシュは、テレビのリモコンほどの大きさで、片手で持てるコンパクトさ。冷蔵庫を見ながら足りないものを加えたり、ちょっと思い立った時に洗剤をリストに加えたりすることができるのが便利そうだ。アマゾンでは50万点の商品がダッシュで注文可能で、ほとんどは当日配送されると語っている。

 このダッシュは、現在のところアマゾンの生鮮食品の当日配送サービスである「アマゾンフレッシュ」のユーザーに試験的に配られている。アマゾンフレッシュ自体が、シアトルとロサンゼルス、サンフランシスコの一部地域で展開されているだけだが、野菜や果物、肉、日用品、電気製品などを即日配達してくれるという、アメリカでは夢のようなサービス。会費は年間299ドルで、最低注文額が35ドル以上でないと送料が無料にならないが、利用者は増えているようだ。

 これまでも何でも買えるアマゾンだったが、それに生鮮食品を加え、さらにクリックもなしに買物かごに注文商品が入るという便利さは、もう地元のスーパーマーケットに正面から対決を挑んでいるようなものだろう。こんなに簡単ならば、よほどのことがない限り車を出してスーパーへ買物に行ったりしたくなくなる。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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