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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

“考えず、従う”姿勢が生む「国民総残業社会」
――女性が疲れる社会ニッポンへの警鐘【前編】

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第12回・前編】 2014年5月12日
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 「女性が輝く日本へ」と題し、安倍政権のもとで女性が活躍できる社会づくりが始動しています(首相官邸HP)。ところが実際には、女性の就業率や指導的地位に占める割合が高まるにつれ、輝く女性よりも、疲れた女性が増えることが憂慮されます。なぜなら、日本人独特の文化価値観がつくりだす労働偏重社会によって、ただでさえ大変な彼女たちが、さらに重荷を背負うことになるからです。

 そんな日本の労働環境は、世界のビジネスパーソンの目にはどのように映るのでしょうか。ドイツ人のAさんとインド人のBさん、2人の対話形式で見てみましょう。

ニッポンは「国民総残業社会」!?

Aさん「日本の会社では、残業が当たり前らしいね。しかも民間企業だけじゃなく、役所や学校でも」

Bさん「その残業は、役員や管理職だけじゃなく?」

Aさん「いや、不思議なことに、管理職より責任も報酬も低い平社員も同じように残業するんだよ。それに驚くなかれ、給料や労働条件が正社員より悪いとされる非正規雇用者(契約社員、派遣社員、パートタイマー、アルバイト)も、正社員と同じように残業することがあるらしい」

Bさん「国民総残業か…なるほど世界でもユニークな国だ。でも彼らは、喜んで残業しているんだろうか?」

Aさん「それは人によると思うけど、大多数の人は、会社がやれと言わなくても残業するというから驚きだ」

Bさん「え? プライベートライフより仕事が大事? 家族、恋人、友人より、上司、同僚、お客さんを優先?」

Aさん「そうかもね。そもそも日本では、仕事とプライベートをはっきり区別する人は少ない。会社は、単なる仕事場以上のもので、中には“人生の舞台”とか“自己実現と成長の場”と考える人もいるらしい」

Bさん「なるほど、日本では、職場を舞台に人生や恋愛を描くテレビドラマや漫画が受けるというけど、背景にはこうした日本人の文化価値観があったんだ」

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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