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海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

「東西回廊」整備はアセアン全体に影響及ぼす
押さえておきたいミャンマー特有の物流事情

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第19回】 2014年5月29日
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ティラワ港の水深は6メートル?!
泥で埋まりつつある主要港

 ミャンマーに進出した企業から、物流が非常に難しいという話を聞く。実際のところ、ミャンマー国内外での陸・海・空路はそれぞれどうなっているのか。うまく機能していない場合、何がボトルネックになっているのだろうか。

 今回は複数の現場での取材を基に、ミャンマーにおける物流の現状について、海路、空路、陸路の順番に見ていくことにしよう。

 まずは海路についてだ。代表的な港湾であるヤンゴン港は、下記の5つのターミナルから構成されており、現在、取り扱い量がもっとも多いのが一番上にあるAsia World Port Terminal (AWP)だ。

(1)Asia World Port Terminal (AWP)
(2)Bo Aung Kyat Port (BSW)
(3)Myanmar Industrial Port (MIP)
(4)Sule Pagoda Port
(5)Myanmar International Terminal Thilawa (MITT)

 ヤンゴンから一番南にあるのが5つ目のティラワで、準備作業が進むティラワ工業団地に一番近いターミナルだ。こちらはコンテナ貨物より、中古自動車輸入、最近政府に禁止されたチーク材の原木輸出等、バラ積み船が中心だ。ティラワの工業団地が開発された段階で、コンテナを扱える新しい港が出来る予定になっている。

 ただヤンゴンにある港に共通している問題は、どのターミナルもヤンゴン川の河川港であるため、水深が限られていることだ。外洋に近いティラワ・ターミナルでも、外部資料では水深10mとの記載も見られるが、これはあくまでも満潮の時の水深であり、干潮になると6mくらいまで下がってしまう。

 従って、ヤンゴン港に出入りするコンテナ船は、満潮を待たないと近いところまで進めない。その結果、多くの船が、よく潮待ちをやっているのを見かける。潮待ちが1日4回あるため、なかなか予定通りスムースに入港出来ない。その結果、到着してすぐに折り返し出航を行うといったことが、出来ない状況にある。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が集まるミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年で、会社法や外国投資法など進出する企業にとって重要な法律が施行され、市場として環境が整い始めた。本連載では、企業進出の現場から何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。「ミャンマー その投資ブームは本物か」に続く、連載第2弾。綿密な現地取材をもとに、ミャンマービジネスの最前線を追う。

「海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線」

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