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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

【全国縦断ルポ】
地銀水面下の攻防

──週刊ダイヤモンド5月31日号特集「地銀の瀬戸際 メガバンクの憂鬱」より特別公開

週刊ダイヤモンド編集部
2014年5月30日
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金融庁に生き残り策を問われる地銀が、ようやく再編に向けて重い腰を上げようとしている。これからどんな再編劇が起こるのか。地銀業界の水面下の攻防を追った。

【東北】
やり手頭取の次の一手

 東北には、関東の地方銀行にまでやり手と伝わる頭取が居る。きらやか銀行(山形県)の粟野学氏だ。

 地銀関係者によれば、週に1~2回のペースで仙台第二高校の先輩である仙台銀行の三井精一頭取(当時)の元に通い詰め、統合の同意を獲得。2012年にじもとホールディングス(HD)を設立し、仙台という東北一の大経済圏を基盤とする有力花嫁を手に入れたからだ。それ故、「あの頭取は今後も絶対動いてくる」とある地銀役員は断言する。

 その再編候補としてささやかれるのが、傘下に荘内銀行と北都銀行をぶら下げるフィデアHD(09年設立)だ。同社は子銀行が山形県、秋田県にあるにもかかわらず仙台に本店を構えたため、「仙台を本気で取りに来た」と思われたものだが、今のところ仙台では個人向けビジネスが中心。法人顧客にまで食い込んではいない。

 もし、「フィデアHDとじもとHDが統合すれば預金残高は4.6兆円を超え(子銀行の単純合算)、仙台に絶大な基盤を持つ七十七銀行(同7.8兆円)の背中がようやく見えるようになる」(地銀関係者)。東北での存在感が手に入るというわけだ。

 大変なのは福島県。同県の地銀に、再編の選択肢は多くなさそうだ。

 何しろ、人口減少が著しい。東日本大震災前、隣接する群馬県や栃木県より多かったはずの人口は、震災前の11年3月1日からこの3年間で8万7000人も減少。いまや同2県よりも少なくなっている。東北の地銀関係者から見ても「経済圏が崩壊しつつある」ため、他県の地銀が統合しようにも、「株主や預金者に説明がつかない」(地銀幹部)のだ。

 福島県では「県内再編というのが最もあり得るかたち。第一地銀と第二地銀の間に深くて長い川が流れていることを考えれば、福島銀行、大東銀行という第二地銀同士の統合から始まるのでは」と、ある地銀役員は推察する。

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