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消費者保護か経済かで揺れる「飛び込み営業禁止条例」の行方

週刊ダイヤモンド編集部
2008年7月18日
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 秋田県で検討されているある条例が話題を呼んでいる。その条例は「不招請勧誘禁止条例」。

 この聞きなれない「不招請勧誘」とは、頼んでいないのにやって来て商品の勧誘をする、という意味だ。高齢者が多数被害に遭った巨額の詐欺事件が条例検討のきっかけとなっている。

 対象は、65歳以上の高齢者や未成年者、被後見人など。これらの人びとに対して、飛び込み営業など依頼を受けずに訪問したり、電話やファックスなどで営業や勧誘をすることが最初から禁じられる、という内容だ。ただし、月額5000円を超えない契約は除かれており、新聞や乳製品などは規定外。また、違反業者には罰則規定が設けられる。

 まだ素案段階であるが、ヒアリングを受けた多くの事業者は「もしこのまま条例が定められれば、県内での営業活動に大きな支障を来す。事業の大幅縮小を検討せざるをえない」と話し、条例案の行方に神経を尖らせている。

 たとえば保険業界。生命保険会社に加え、JA共済や全労済といった共済事業者も対象となり、営業社員や内勤職員の合計約4600人の雇用にも影響しかねない。

 また、証券業界は「株式取引の相談を受けた際に、投資信託など他の商品の話はできなくなる」と懸念を表す。ほかにも、生活協同組合連合会は「組合員の獲得ができなくなる」と言う。

 事業者側は販売ルートの一つが閉ざされることになりデメリットが大きい。また、健全な業者が排除され、法に縛られない悪徳業者のみが残る懸念もある。だが一方で、常識のない業者によって被害を受けている高齢者が多いのもまた事実。消費者保護と経済活動のバランスの取れた条例が望まれる。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 藤田章夫)

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