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ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦

「集団的自衛権」行使容認は日本の「安全」のため
戦争準備に入った中国を牽制する唯一の道

北野幸伯 [国際関係アナリスト]
【第3回】 2014年6月30日
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「消費税倍増!」「TPP!」「残業代ゼロ!」「移民毎年20万人受け入れ!」。筆者から見ると、「変なことばかりやっているな」と思える安倍内閣。しかし、「これだけは是非実現してほしい」と思っていた政策が、ようやく閣議決定への見通しが立ってきた「集団的自衛権行使容認」である。今回は、「集団的自衛権行使を容認すると、なぜ日本は『安全』になるのか?」を解説する。

世界情勢の変化と日本の危機

 まず、「世界で何が起こっているのか?」大局を理解しよう。筆者の住むロシアでは、「2008年の前と後は、別の時代」といわれる。第2次大戦が終わった1945年から、ソ連が崩壊した91年までを、一般的に「冷戦時代」とよぶ。別の言葉で、米ソ「二極時代」。二極のうち一極(ソ連)が消滅したので、世界は「一極時代」になった。そう、「米国一極時代」の到来である。

 90年代は、米一極時代のピークだった。米国のみが、「ITバブル」によって空前の繁栄を謳歌していたからだ。しかし、新世紀に入ると、米一極時代は危機を迎える。まず、「ITバブル」が崩壊した。ついで米国は、アフガン戦争(01年)、イラク戦争(03年)を開始。07年には「サブプライム問題」が顕在化。08年9月に起きた「リーマンショック」から米国と世界は、いわゆる「100年に1度の大不況」に突入していく。ロシアでは、「これで、米国の『一極世界』が崩壊したのだ」といわれている。

 ここ数年、世界で起こったもっとも重要な変化。それは、「米国が衰退し、一極時代が終わったこと」だ。日本人は、このことをしっかり脳みそに刻んでおかなければならない。米国は、「ロシア-グルジア戦争」の時、グルジアを守っただろうか?米国は、ロシアの「クリミア併合」を止めることができただろうか?いずれもNO。そう、米国のパワーは年々衰えているのだ。

 米国一極時代の終焉に伴って、第2の変化が起きている。それは、中国とロシアが「狂暴化している」こと。なぜこれが「米国の衰退」と関係しているのか?

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北野幸伯 [国際関係アナリスト]

きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。


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