ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
配偶者控除見直しの是非を考える

労働意欲にネガティブに作用する制度はおかしい
「女性の活躍推進」には長時間労働の是正がカギ
――石原直子・リクルートワークス研究所主任研究員

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第5回】 2014年7月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

配偶者控除の見直しに関しては、単に税制だけではなくて、子育てや夫婦の働き方、それぞれのキャリア観、企業側の女性の登用や子育てをしながら働く社員に対するサポートのあり方など、さまざまな視点での議論が必要だ。そこで、女性の活躍推進についてさまざまな調査の経験があるリクルートワークス研究所主任研究員の石原直子氏に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

税の公平性から考えて
現状の制度はおかしい

――配偶者控除見直しの議論が年末に向けて進みます。「女性の活躍推進」が目的としていますが、議論をどのように見ていますか。

いしはら・なおこ
リクルートワークス研究所 主任研究員。都市銀行、人事コンサルティングファームを経て2001年よりリクルートワークス研究所に入所。一貫して人材マネジメント領域の研究に従事する。近年はタレントマネジメントの視点から、次世代リーダー、女性リーダー、事業創造人材等の研究を進めている。リクルートワークス研究所の「提言 女性リーダーをめぐる日本企業の宿題」作成にあたってプロジェクトリーダーを務めた。
Photo:DOL

 基本的に配偶者控除の見直しには賛成です。パートタイム、フルタイム、フルタイムでもどのくらいのレベル・収入を目指して働くのかといういろいろな選択肢があるなかで、「ある一定レベル以下の働き方をすると得ですよ」というメッセージは、やはり税の公平性などの観点から考えると変だと思います。現状を公平性の高い方向へ変更していくのは、まっとうなことではないでしょうか。政府が言う「『二重の控除』をとる」ということで良いと思います。

 現状は「専業主婦でいたほうが得」と思えるような制度になっています。将来的に労働力が不足していくことが分かっている状況で、働かない方がいいという、働く意欲に対してネガティブに働いているのは、発展的ではないですよね。

――見直しで課税最低限が下がるため、低所得者を苦しめることになるという指摘があります。

 もちろん、フルタイムやパートタイムでたくさん働けず、その結果収入が少ない人はいると思いますし、それなりの理由があると思います。体の具合が悪いとか、親の介護をしなければならないとか、人それぞれだと思います。

 そういう収入を増やしたくても増やせない人が、配偶者控除の見直しによって控除がなくなり、さらに手取りが減るということなのであれば、給付などの他の制度を考えるべきではないでしょうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


配偶者控除見直しの是非を考える

自民党と政府が本格的に検討を始めた「配偶者控除の見直し」。安倍政権は見直しの理由として、「女性の活躍推進」を挙げる。これについては、税制の専門家、保育や女性の労働環境を研究する専門家、ライフプランナーなど、さまざまな立場から賛成/反対の声が上がる。配偶者控除の見直しは、私たちの生活にさまざまな影響を与えるものだからだ。本連載では、こうしたさまざまな専門家に登場頂き、配偶者控除の見直しが妥当なのか、考えて行くことにする。

「配偶者控除見直しの是非を考える」

⇒バックナンバー一覧