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データサイエンティストの冒険

データサイエンティストの日常・その1

工藤卓哉 [アクセンチュア]
【第11回】 2014年7月15日
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 ここ数年、日本でもデータアナリティクスについての関心が高まるにつれ、わたし自身、国内外を忙しく飛び回る日々が続いておりました。なかなか落ち着いて原稿に向かうことができず、しばらく更新が滞りましたことをお詫び申し上げます。

 読者の皆様にはご迷惑をおかけしましたが、これに懲りず引き続きご愛読いただければ幸いです。

 さて今回から2回にわたって、前回コラム掲載から数ヵ月の間、外部の方々との交流を通じて出会った印象的な出来事についてご紹介しながら、わたしが日ごろどのような活動をしているのかについてお話したいと思います。

アナリティクス以外にも
広がる活動領域

 以前のコラムでも触れた通り、わたしはアクセンチュア アナリティクスの日本統括として、さまざまな企業や団体に対しデータアナリティクスサービスを提供しているのですが、業務の合間には国内外で開催されているデータサイエンス関連のカンファレンスに出席したり、内閣官房や行政機関、自治体主催の懇談会に呼ばれ意見を述べたりする傍ら、慶應大学や会津大で教壇に立つなど、直接アナリティクスに関わらない仕事にも数多く関わっています。

 わたしがなぜこうした活動に取り組むのか。それはデータアナリティクスが秘めている優れた力をもっと多くの方に知っていただき、世の中に偏在する課題解決に役立ててほしいと考えているからです。

 とくに若い世代の皆さんに私たちの仕事を知っていただくことが、人材不足が叫ばれるデータサイエンティストの育成にもつながると信じ、微力ながら手弁当でこうした活動に勤しんでいます。

 2014年4月23日、産学共同イベントとして開催された「第1回データビジネス創造コンテスト」で審査員を務めたのも、そうした取り組みの1つでした。

大学生・大学院生を抑え
高校生チームが最優秀賞に

 このコンテストは高校生から大学院生までを対象に、Twitterを流れる膨大なツイートデータを使い、ビジネスにつながるアイデアを競い合うものです。

 応募総数55件の中から本選に進んだのは、高校生チーム5組と大学生・大学院生チーム7組の計12組。私を含む審査員たちの多くは、高校生に比べ、分析手法やITリテラシーに長けているはずの大学生・大学院生チームのほうが有利という見立てで審査に臨んでいたと思います。

 事実、大学生・大学院生チームの提出物はどれもレベルが高く、短期間のうちに数理モデルを駆使した消費税増税の影響を評価する手法を編み出したチームや、類似語コーディングによるクレンジングや潜在クラス分析を行い育児の実態を把握するという、ビジネスパーソン顔負けのアイデアが出され、私たち審査員を大いに喜ばせました。

 しかし審査員から圧倒的な得票を得て最優秀賞に選ばれたのは、残念ながら彼らではありませんでした。

 並み居る大学生・大学院生チームを抑えて最優秀賞に輝いたのは、なんと高校生チームだったのです。

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工藤卓哉[アクセンチュア]

Accenture Data Science Center of Excellence 北米地域統括 兼
アクセンチュア アナリティクス日本統括 マネジング・ディレクター
慶應義塾大学を卒業しアクセンチュアに入社。コンサルタントとして活躍後、コロンビア大学国際公共政策大学院で学ぶため退職。同大学院で修士号を取得後、ブルームバーグ市長政権下のニューヨーク市で統計ディレクター職を歴任。在任中、カーネギーメロン工科大学情報技術科学大学院で修士号の取得も果たす。2011年にアクセンチュアに復職。 2016年4月より現職。 データサイエンスに関する数多くの著書、寄稿の執筆、講演活動を実施。


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近年、テクノロジーと数理モデルによってもたらされるアナリティクスが、ビジネスを大きく変えようとしている。データの高度な活用から次の打ち手を見出す力、アナリティクスの決定的な優位性を最前線から解説する。

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