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今週のキーワード 真壁昭夫

滑稽な韓国を従わせて覇権を強める中国の成算
米国不在の「Gゼロ時代」を日本はどう生きるべきか

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第334回】 2014年7月15日
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“弱腰”米国と対峙する中国やロシア
「Gゼロ時代」の世界の構図をどう読むか?

 オバマ大統領の支持率が低下している。もともとオバマ政権の外交政策については、“弱腰”とかなりの批判があった。ニューヨーク在住のアナリストは、「オバマ大統領の弱腰外交は、中国やロシアなどを増長させるだけだ」と厳しく糾弾していた。

 そうした米国のスタンスに対して、アジアの同盟国からも懸念の声が上がっている。シンガポールの友人は、「中国がアジア地域で暴力的な行動をとっても、米国は助けに来てくれないのではないか」と真面目な表情で心配していた。

 彼は、現在の世界情勢を“Gゼロ”と表現していた。今までは、米国が覇権国としてそれなりのパワーと見識を示してきたのだが、オバマ外交でそうした状況が変化している。中国やロシアなどが自国の利益を優先して国際秩序を逸脱しても、それに対して断固とした態度を示す国がなくなってしまった。

 一方、ポジションが低下する米国に対する中国の鼻息は荒い。習主席は韓国を国賓として訪問し、中韓の親密さを大いにアピールした。両首脳は会談の後、日本の集団的自衛権の行使容認などに関して強い懸念を示すことで、対日批判で共闘のスタンスを取ることを明確にした。

 今回の習主席の韓国訪問を見ると、中国が韓国を取り込もうとしている意図がよくわかる。有体に言えば、したたかで強引な中国が経済を餌に韓国を手なずけている構図だ。

 韓国は、安全保障面では米国依存、経済では中国依存とうまく使い分けているつもりなのだろう。しかし、中国の意図通りにコントロールされている観さえある韓国の姿を見ていると、滑稽でもあり気の毒にも思う。韓国は政治的にも経済的にも追い込まれており、そうした優柔不断な態度を取らざるを得なくなっているのだろう。

 1990年代の冷戦終焉後、米国は覇権国としての地位を確立する一方、“世界の警察”としての役割を担ってきた。それが世界情勢を安定させる重要なファクターの1つであったことは、言を俟たない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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