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アップルとIBMの“強者連合”は
企業向けIT市場の大再編を引き起こすか

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第55回】 2014年7月23日
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アップルのティム・クックCEOとIBMのジニー・ロメッティCEO (クックCEOのツイッターより)

米アップルと米IBMが、企業向けモバイルサービスで提携した。モバイル端末で確固たる強みを持つアップルと企業向けシステムを得意とするIBMが相互補完する形で、両社ならではの企業向けモバイル活用を促進するのが狙いだ。いわば“強者同士”の提携によって、今後、企業向けIT市場に大再編が巻き起こる可能性も出てきた。

アップルとIBMが
独占的なパートナーシップ

 両社の発表によると、IBMが持つビッグデータ分析のノウハウをアップルのスマートフォン「iPhone」およびタブレット端末「iPad」向けに提供し、ビジネスアプリケーションの新しいひな形を通じて、企業のモバイル利用を変革するべく独占的なパートナーシップを締結したとしている。

 提携内容の骨子は、次の4つからなる。

 1つ目は、iPhoneおよびiPad向けに新しく開発したアプリケーションをはじめとして、各業界に特化した100種類以上の企業向けソリューションのひな形を提供する。ソリューション名は「IBM MobileFirst for iOS」で、今年秋から順次提供していく計画だ。ちなみにiOSは、iPhoneおよびiPadの基本ソフトウェア(OS)である。

 2つ目は、企業が保有する全ての端末管理やセキュリティ、データ分析などを含めてiOSに最適化されたIBM独自のクラウドサービスを提供する。ソリューション名は「IBM MobileFirst Platform for iOS」で、IBMがすでに展開しているクラウドプラットフォームサービス「IBM Bluemix」上で利用可能になる見込みだ。

 3つ目は、企業ニーズにきめ細かく対応する新たなモバイルサービス&サポートを提供する。ソリューション名は「AppleCare for Enterprise」で、アップルのカスタマーサポートグループによる年中無休のサポートと、IBMが提供するオンサイトのサポートを組み合わせたものになる。

 4つ目は、IBMが企業向けにiPhoneおよびiPadを販売する。ソリューション名は「IBM MobileFirst Supply and Management」で、モバイル端末の活用や管理におけるサービスをはじめ、リース契約もオプションサービスとして提供する。

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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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