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日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

製造を外注しても技術力を失わないアップルの凄み
欧米モデルを誤解し安易に模倣する日本企業のリスク

松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]
【第7回】 2014年5月7日
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ビジネスモデルよりも技術伝承力
アップルの本当の強さとは何か?

 「アウトソースを行っているにもかかわらず、意外にコストが下がらない」

 こんな愚痴を頻繁に耳にする。

 「アップルは技術がすごいのではなく、ビジネスモデルがすごいのだ」

 こんな話もよく聞く。

 今回は、世界で最も注目されているデジタル家電企業・アップルの「強さ」について分析したい。同社はビジネスモデルも凄いが、実は超ノウハウ集団なのである。

 最初に面白い話を紹介したい。読者の中にはピンと来る人もいるかもしれないが、アップルが手がけるある製品の「初代機」についての開発秘話だ。これは、バッテリーをソニーが担当していた。「ソニーがバッテリー?」と思う読者もいるかもしれないが、実は世界で初めてリチウムイオン電池を商品化したのはソニーだ。

 ソニーは、部品メーカーとしても秀逸だ。CMOSなどの画像センサーは、ライバルのサムスンと比べて3倍以上のコストがかかっているにもかかわらず、「iPhone5」「Galaxy」などのスマートフォンでは標準搭載となっている。

 筆者は、イノベーションは部品や素材から起きると考えている。ソニーはもっとデバイス事業、B2B事業に経営資源を投じても良いとも思っている。

 話を元に戻そう。前述の「初代機」を開発する際に、アップルからソニーに対して大幅な軽量化の要望が出た。デザイン性を高めた端末であったため、肉厚をもっと攻めることが求められた。

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松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]

株式会社O2(オーツー)株式会社XrossVate(クロスベイト)株式会社安田製作所代表取締役。1970年生まれ。千葉県出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。大手化学メーカー、外資系ITベンダーのディレクター、コンサルティングファームのディレクターなどを経て、2004年株式会社O2を設立、代表取締役就任。2013年に新会社XrossVateを設立。2014年に射出成型用金型メーカ株式会社安田製作所に出資を行い経営参画。


日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

日本の製造業は危機に瀕していると言われて久しい。様々な業界関係者が口にする「日本企業は技術で勝っても事業で負けている」という言い訳は、本当に正しいのか。実は、日本のゲンバにはもっと根深い本質的な課題がありそうだ。日本企業の5重苦、7重苦の原因は、日本の技術力の低下そのものにあり、その原因は大きく「技術伝承」の放置と悪い意味での「部分最適思考」の2つにある。製造業を中心に大手企業のコンサルティング業務を手がけ、企業のゲンバと深い付き合いを続けてきた株式会社O2(オーツ―)の松本晋一代表取締役が、“超高速すり合わせ型”モノづくりの極意を説く。

「日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ」

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