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独立した専門特化型サイトの集合体
「ヴォックスメディア」の勢いが止まらない

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第305回】 2014年7月23日
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「ヴォックスメディア」のWEBサイト(voxmedia.com

 インターネット時代のメディアがどうあるべきかについては、依然として議論が耐えないが、アメリカではすでに成功モデルがいくつか見られる。その1つとして特に注目を集めているのが、ヴォックスメディア(Vox Media)だ。

 2013年のヴォックスメディアのユニークビジター数は月間7290万人。コムスコアによると、前年度からの成長率は88%で、他のインターネットメディア会社に差をつけて、もっとも成長を遂げたサイトということになっている。

 ヴォックスメディアは、複数の専門化したメディアサイトを傘下に抱えている。それらをまず紹介しよう。

 「NBネーション」はスポーツをカバーするサイトで、ライブのスポーツ試合の際に、テレビ画面を観る視聴者が手元のセカンドスクリーンでアクセスすることを狙っている。野球、フットボール、バスケットボール、ゴルフ、カーレースなど、ありとあらゆるスポーツをカバー、他のファンとの交流やチケットの入手も可能だ。

 「ザ・ヴァージ」はテクノロジーの専門メディアで、新製品情報、業界の動向だけではなく、調査報道や鋭い分析も特徴。1ヵ月に1万7000本(2013年11月)ものニュースをアップするパワフルなサイトだ。

 他にも、コンピュータゲームに特化したニュースサイトの「ポリゴン」、レストランと食情報の「イーター」がある。後者は、ただの人気スポットを追うだけでなく、食に対する科学的な視察も魅力だ。

 「カーブド」は不動産とインテリアデザインのニュースを合体させたユニークな切り口で、全米各都市でも展開している。「ラックト」は、ファッションとショップガイドのサイトで、こちらも都市ごとにサイトを運営している。

 さらに「ヴォックスドットコム」は、エズラ・クライン氏をワシントンポストから引き抜いて作ったサイトだ。クライン氏はワシントンポストで「ウォンクブログ」という人気の政治・政策ブログを書いていたが、運営とスタッフ拡大の交渉で同紙と決裂し、今年初めヴォックスメディアに移った。

 4月にスタートしたヴォックスドットコムは政治だけでなく、幅広く社会問題や世界情勢を扱うサイトになっており、今やワシントン関係者が読まねばならないサイトの1つとされている。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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