ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
高橋洋一の俗論を撃つ!

消費、住宅、機械受注のトリプル悪化
政府の景気判断「上方修正」に疑義あり

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第98回】 2014年7月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 前回の本コラム(消費落ち込みは「想定内」!? 想定数字の説明なき政府の楽観)で、政府は消費税による消費の落ち込みに楽観的すぎるのではないかと書いた。6月27日に総務省から公表された家計調査の数字があまりに悪かったからだ。

景気指標はトリプル悪化

 その原稿を書いたすぐ後に、7月10日内閣府から機械受注の数字も公表されたが、それも悪かった。実は、6月30日に建設省から公表された住宅着工統計の数字も悪かった。

 民間消費が悪くて、民間企業投資も民間住宅投資も悪いと、民間経済は悪くなるに決まっている。どのくらい悪いかといえば、過去2回の消費税増税の前後1年で比べてみよう。

 マスコミ報道でしばしば利用される前月比という数字ではなく、対前年同月比でみてみよう。というのは、前月比だけみていると、直前から上昇していても、景気がいいとは限らないからだ。「~について、2ヵ月間上昇し、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある」という報道が最近多い。だが、増税後の4月に大きく落ち込み、その後、「2ヵ月上昇」したが、前の水準まで戻っていない。この「前の水準に戻っていない」という点がマスコミ報道に欠落している。

 せっかくだから、家計調査も加え、機械受注、住宅着工統計の今回の増税前後を、1989年増税と1997年増税と比較してみたのが、以下の図1だ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

「高橋洋一の俗論を撃つ!」

⇒バックナンバー一覧