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職あれば食あり

海外との価格競争とは無縁のツワモノだった!?
日本のスイカが輸入品に絶対負けない理由

まがぬまみえ
【第58回】 2014年8月21日
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スイカのハウス内で食べる大玉スイカ

 農場と聞けば生産農家かなと思う。しかし、萩原農場が生産・販売しているのはタネであった。専務の萩原斗志弘さん(52歳)が説明する。

 「萩原農場は農家だった祖父が大正期におこした会社です。とても変った人だったようで、田畑を売ってまでも自分のやりたい研究に没頭していたために、近所の人たちからは貧乏したけりゃ萩原を見習えと言われていたそうです」

 そんな創業者がある時、それまでになかったスイカの開発に成功した。栽培しやすく、品質も良いそのスイカは「富研号」と名付けられ、スイカ界で初めて農林省種苗名称登録された。以来、業界ではスイカのタネと言えば有名なのがこの萩原農場なのである。

市場に流通するのは
たった100分の1だった!?

 スイカはもともとウリ科の食物であり、キュウリやカボチャと同類である。樹木ではなく、草になるため、園芸分野では「野菜」に分類されている。というのも、スイカの野生種はちっとも甘くない。それが果物と見まがうほどに甘くなり、日本で、「夏と言えばスイカ」というほど庶民の食べ物として浸透したのは、長年に渡る品種改良の成果だと言える。

――ホームページを拝見したら、日本で育成されているスイカは150種類以上あると書かれていたのですが、そんなにたくさんあるとは知りませんでした。

 「それは市場に流通した数だけです。我々の場合、だいたい年間100品種くらいは作っています。そのうち市場に流通するのは1品種あるかないか。それでも、すぐに産地に導入という訳にはいきません。スイカは天気にも左右されやすいので、どの産地でもたいがい1年か2年試してみてから、ということになります。流通しないままお蔵入りしたものもたくさんあります」

――導入というと、販売先はJAになる訳ですか?

 「そうですね。我々がJAに売ったタネを生産者さんが買う場合もあれば、JAから苗屋さんに行って、そこから生産者に渡る場合もあります」

――タネとタネをかけ合わせて新しい品種をつくる。具体的にはどのような作業をして新しいタネが生まれるのでしょうか?

 「大きく分けると、販売用のタネをつくる作業とその親を開発する作業の2つがあります。販売用から先に説明しますと、まずは親となるA品種とB品種を用意します。Aを母体にするとしたら、その雌花に虫がつかないよう袋掛けをする。これは花が咲く前日にかけます。Bの雄花にも同じようにして袋掛けをしておきます。で、Aの雌花が咲いたら、Bの雄花の花粉を受粉させる。そうして採取できたタネが商品になります。ただし、それとは別に親をつくる仕事がありまして、我々にとってはこちらも同じように重要な仕事です」

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