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職あれば食あり

スーパーの鮮魚売場は絶滅寸前!?
元バイヤーが語る「お魚大国ニッポン没落」の現場

まがぬまみえ
【第46回】 2013年8月22日
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 魚介類を対象にした商品企画開発などのコンサルティングをしている「Marine Present(マリン プレゼント)」の社長、柴田稔さん(59歳)が言う。

 「このまま行くと、あと数年のうちにスーパーの魚売り場はなくなりますよ」

 「そ、そ、そんなに深刻な事態ですか!?」

 「まあ、お荷物部門ですから」

 お荷物なのは、魚が売れないからである。実際、都内で頻繁に見かける食料品の100円ショップにも、なぜか、鮮魚コーナーだけがない。

 そうなのだ、知らぬ間に魚売り場は減っていたのである。

日本はいつの間にか
「世界一の魚食大国」ではなくなっていた!?

 そんなはずはない、日本人は世界で一番、魚を食べているのでは、と思う方もいるだろう。確かに、食べてはいる。しかし、1位からはとっくに転落している。

 平成24年版水産白書によれば、日本の1人当たり食用魚介類消費量は世界で第3位。もとは1位だったのだが、2007年にポルトガル、2009年には韓国にも抜かれた。さらに気になるのは、魚介類の消費量が多い10ヵ国のうち、直近20年間でその消費量が減っているのは日本だけ、という事実である。

 これは、どういう訳なのだろう?

 柴田さんは、某高級スーパーの元バイヤーである。店舗のスーパーバイザーもしていた。長いこと鮮魚売場を見てきた経験を生かし、今は魚介類の商品企画開発やブランディングにも携わっている。いわば、「魚のことなら任せて」のプロである。という訳で、そうしたもろもろの経験をふまえた上で、今、魚売り場で何が起きているのかを解説していただこう、とご登場願った次第である。

 「私の場合、板前からスタートしましてね」

 貯めたお金で魚屋を開くも、半年で潰してしまった。「何しろ、甘かったんですよ」と、柴田さんは言う。時は1970年代前半、うまくいけば、魚屋はまだ「儲かる商売だ」と思われていた。

 「で、求人情報を見ましたら、あるスーパーがちょうど魚の担当者を募集していましてね。これならなんとかなるかな、と思い応募したんです」

 入ったのは、東京の高級住宅街にあるスーパーである。といっても個人商店から衣替えしたばかりで、もともとなかった鮮魚売場をゼロから立ち上げるのが、柴田さんの仕事だった。

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