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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

議会での質問を援助するサービスなど本当に必要か?
議論乏しき議会を変えるか、佐久の政治塾「真選組」

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第107回】 2014年8月26日
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市議会で起きたコントのような出来事
議員が読み飛ばした質問に答弁する市部長

 東日本のある市で今年、お笑いコントのような出来事があった。舞台となったのは、市議会の本会議。一般質問に臨んだ議員が、緊張のあまり平常心を失ってしまったのか、1つの項目をそっくり読み飛ばし、それに気づかぬまま質問を終えてしまった。

 もっとも、ここまではそれほど珍しい話ではない。誰かに質問原稿を書いてもらい、それを議場で朗読するだけの議員が起こしがちな凡ミスと言える。

 問題はここからだ。質問に対する答弁を市の部長が始めた。こちらも原稿を淡々と読み上げていったが、どうしたことか、議員が読み飛ばした質問項目にも律儀(?)に入っていった。要するに、質問されていない事柄への答弁を始めてしまったのである。

 議会事務局スタッフが「まずい」と思ったのだろう。あわてて議長に何やら声をかけた。促された議長が自らの役割に気付いてか、マイクに向かいやっと突っ込みを入れたのである。市の答弁者を制止し、やり直させた。

 お笑い会場だったら、一連のやりとりは大ウケとなったはずだ。しかし、そこは市議会の本会議場。市民にとって笑える話ではない。馴れ合いが生み出した間抜けな一幕にすぎず、その場にいたら「何をやっているんだ! もっと真剣にやれ!」とヤジの1つも飛ばしたくなるはずだ。

 実際、現場でやりとりを目撃した市民は「あれは市側のやらせ質問だったに違いない」と憤激していた。

 各地の地方議会で似たような「寸劇」が散見される。いまなお台本ありきの八百長的議会がなくならない。議場で見られるのは丁々発止の本気の議論ではなく、単なるセレモニーにすぎないというところもある。それは、本来の役割を果たさない、ないしは、果たせない議員らがつくり上げた地方議会の悲しき実態と言える。

 こうした地方議会のお粗末な現実をはたして変えることにつながるだろうか。民間の研究団体が今年から地方議員向けのあるサービスを開始した。地方議員からのニーズを受けて、新しいサポート事業を開発したのである。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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