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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

無投票が常態化して再選挙が頻発する事態に?
過疎自治体が“議員定数削減”に奔走する理由

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第65回】 2013年3月19日
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農村・山間部で議会の新陳代謝が低下
今や地方議会選挙で無投票は珍しくない

 選挙の度に議員の顔ぶれがガラリと変わる国会と対照的なのが、地方議会だ。なかでも農村部や山間部では、地域の人的流動性の乏しさもあり、議会内の新陳代謝が著しく低下している。議員の固定化や世襲化、持ち回り化といった現象が進行しているのである。

 農山村でかつて繰り広げられた激しい選挙戦は、もはや過去のものとなりつつある。そればかりか、たった1人を選ぶ首長選ではなく、複数の議員を選ぶ地方議会選挙においても、無投票はそう珍しいことではなくなっている。

 立候補者数が定数を超えず、選挙なしで全員当選となるケースである。「争ってしこりが残るよりも」と、事前の話し合いで候補者を調整してしまうのである。4回連続で村議選が無投票となった自治体まである。山梨県道志村だ。

 一種の談合で選挙戦を回避する地域がある一方で、無投票を避けるために議員定数を削減する自治体もある。それも4年ごとにである。広島県竹原市だ。

 江戸時代から製塩業や港で栄えた竹原市は、歴史と文化、伝統の街で、「安芸の小京都」と呼ばれている。1958年に市制に移行し、それ以来、合併せずに単独路線を歩んでいる。人口は約2万9000人で、市内は12の地域に分かれている。

 竹原市議会の議員定数は1978年まで30だった。82年の市議選から26に削減し、さらに86年に24とした。4年後の90年の市議選は24のままだったが、94年の市議選から5回連続で定数を2ずつ削減している。現在の定数は14だ。

 竹原市議会が4年ごとに定数削減を重ねる理由は、行財政改革の一環だという。単独路線を選択した竹原市は職員削減などを進めており、「議会も身を削らねば」という判断である。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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