パンパシ水泳、女子バレーボールで
日本選手たちが躍動
先週は日本選手が世界の強豪を相手に堂々たる戦いを見せるシーンが連続した。
まず、オーストラリア・ゴールドコーストで開催されたパンパシフィック水泳選手権(以下パンパシ)。パンパシは4年に1度、五輪の中間年に行われる環太平洋の国々の選手が参加する大会だ。世界選手権(2年に1度、五輪の前年と翌年に開催される)ではないものの、パンパシにはアメリカ、オーストラリアという五輪水泳競技でメダルを量産する国が参加し、実質的に世界の頂点を争うといっていい種目も多い。そのレベルの高い大会で日本選手が躍動した。
男子では萩野公介が200m・400m個人メドレーで金(2冠達成)、200m・400m自由形で銀、入江陵介が100m背泳ぎで金、200m背泳ぎで銀、瀬戸大也が200mバタフライで金、200m個人メドレーで銅、小関也未篤が平泳ぎの100mと200mで金(2冠達成)、小日向一輝が200m平泳ぎで銅、池端宏文が100mバタフライで銅、800mフリーリレーと400mメドレーリレーで銀を獲得。女子では渡部香生子が200m平泳ぎで金、100m平泳ぎで銀、金藤理絵が銀、星奈津美が200mバタフライで銀、400mフリーリレーで銅を獲得した。合計すると金7、銀8、銅4のメダル19個。前回大会の13個を上まわるメダル獲得ラッシュを見せたのだ。
メダルを獲得した選手はいずれも、すばらしいパフォーマンスを見せたが、なかでも特筆できるのは萩野だ。200m個人メドレーの金は、これまで五輪で18個もの金メダルを獲っている王者マイケル・フェルプス(アメリカ)を破って獲得したもの。また、男子自由形は世界の層が厚く、日本人選手は決勝に残るのも難しかった種目。この100mと200mでともに銀メダルを獲得したのは日本競泳史に残る快挙といっていい。
加えてメダルには手が届かなかった選手のなかにも決勝に進出し、いい泳ぎを見せてくれた有望株がたくさんいた。20歳の萩野をはじめ、いずれも20歳前後と若く伸びしろは十分ある。2年後のリオ五輪が楽しみになってきた。
パンパシと同時に日本選手の躍動する姿が見られたのが、バレーボール女子ワールドグランプリだ。6ヵ国の総当たりによる決勝ラウンドに臨んだ全日本はロシア、トルコ、中国、ベルギーを破って4連勝。大会初優勝を目指してブラジルと対戦した。ロンドン五輪優勝国で世界ランク1位のブラジルの壁はさすがに厚く、ストレートで敗れたが、第3セットは最後まで粘りを見せ、実力差が縮まっていることを感じさせた。