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日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

トヨタ化するグーグルと、グーグル化するトヨタ
好調自動車業界にも忍び寄る「電機業界のトラウマ」

松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]
【第14回】 2014年8月27日
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サムスン、9年ぶりの減収に転落
王者を脅かす「第二のサムスン」たち

 サムスンの業績に急ブレーキがかかった。2014年第2四半期の決算が前年同期比約25%ダウン、営業利益も約9%の減益である。主力のスマホの販売不振が主要因だという。9年ぶりの減収に陥ったサムスンに、いったい何が起きているのか?

 実は今、彼らを脅かす「第二のサムスン」とも言うべきフォロアーが、続々と現れている。たとえば「中国のジョブズ」 と呼ばれる、雷軍CEOが率いる小米集団をご存知だろうか。ジョブスばりの新製品発表会には、多くの小米フリークが参加する。ネットコミュニティを活用したブランドの打ち出し方がユニークで、通信キャリア経由ではなく直販に近い形式で販売を行う。そのマーケティングのやり口の斬新さから、「中国のアップル」 とも呼ばれている。

 彼らはデザイン性の高いハイスペックな端末を、年間1機種だけ発表する。アップルが始めた削り出しのボディも、早々に採用した。ブランドイメージはサムスンよりもアップルに近いが、価格はサムスンよりもかなり安く設定することで、サムスンにとって脅威となっている。 

 小米集団以外にも、サムスンを脅かす存在はいる。600社を超えたと言われている中国の地場のスマホメーカーだ。先日、広州に拠点を構える地場のスマホメーカーの総経理と話す機会があった。

 「中国でも、スマホは使って2年や3年だよ。故障したら買い替えるよ。これからは、使い捨てで割り切れるコスト感のスマホじゃないと売れないよ」

 驚いたことに、スマホを売り切り感覚で製造しているのだ。この割り切りこそ、日本人が苦手とする「適正品質」 だと言ってしまえばそれまでだが、これは単なるターゲット品質や日本人の気質の問題に留まらない。製造業の根幹にかかわる、パラダイムの変化を示している。

 そして、こう話を続けた。

 「スマホが売れなくなったら、別のものつくるよ」

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松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]

株式会社O2(オーツー)株式会社XrossVate(クロスベイト)株式会社安田製作所代表取締役。1970年生まれ。千葉県出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。大手化学メーカー、外資系ITベンダーのディレクター、コンサルティングファームのディレクターなどを経て、2004年株式会社O2を設立、代表取締役就任。2013年に新会社XrossVateを設立。2014年に射出成型用金型メーカ株式会社安田製作所に出資を行い経営参画。


日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

日本の製造業は危機に瀕していると言われて久しい。様々な業界関係者が口にする「日本企業は技術で勝っても事業で負けている」という言い訳は、本当に正しいのか。実は、日本のゲンバにはもっと根深い本質的な課題がありそうだ。日本企業の5重苦、7重苦の原因は、日本の技術力の低下そのものにあり、その原因は大きく「技術伝承」の放置と悪い意味での「部分最適思考」の2つにある。製造業を中心に大手企業のコンサルティング業務を手がけ、企業のゲンバと深い付き合いを続けてきた株式会社O2(オーツ―)の松本晋一代表取締役が、“超高速すり合わせ型”モノづくりの極意を説く。

「日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ」

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