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デジタル流行通信 戸田覚

シンクライアント端末がPCの概念を変えるか

戸田 覚 [ビジネス書作家]
【第23回】 2008年4月15日
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 以前、本コーナー(「携帯ノートPCが5万円になる日」)で、そのコンセプトを取り上げた、シンクライアント的端末が登場した。

 4月15日にNECから発表されたLuiは、パソコンの一種と言えなくもないので、今回の本コーナーのタイトルも「パソコン」とした。同社は、このLuiをホームサーバ・クライアントソリューションと位置づけており、大きく2つの製品に分けている。ひとつは、「コンテンツオンデマンド」であり、もうひとつは「PCオンデマンド」である。「コンテンツオンデマンド」は、AVサーバーに記録したビデオや写真、地デジの録画データなどを、クライアントPCで楽しむことができる仕組みだ。そして、「PCオンデマンド」は、ホームサーバーPCを、ネットワークに接続したビューワー端末で利用できる仕組みだ。今回、注目するのは、「PCオンデマンド」だ。

家に置いたサーバーを小さな端末から操作し、その様子をビュワーすると考えるとわかりやすい。

 これは、持ち出せる小型端末に簡単なOSだけがインストールされていて、パソコンとして利用する際には、LANにつながったサーバーPCの画面を表示するという仕組みだ。要するに、リモートでサーバーを操作していると考えるとわかりやすいだろう。サーバーPCとクライアント端末はネットワークでつながっていればいい。つまり、家の中ならLANで、外出先でも無線LANなどを利用すれば良いのだ。

 実際に操作してみたが、処理性能的にはまだ用途を選ぶ印象を受けた。メールチェックや文章入力など、テキストベースの作業やWebの閲覧等なら“ちょっと遅いパソコン”程度に利用できる。だが、ヘビーな動画再生ではやや動きが重く感じる。

この小さな端末の画面でWindows Vistaが操作できる。OSもCPUもネットワークの先の自宅にあるのだ。

 画質や再生のクォリティは、用途に合わせて設定できる。ただ、通信速度が遅ければ動画を見るのはつらいだろう。もちろん、この製品はまだ先駆けだ。そういう意味では、外出先の端末と家庭のパソコンを簡単に接続できる仕組みや、データ転送のために専用の圧縮ボードを開発したコンセプト自体が素晴らしい。

 興味深いのは、この製品の立ち位置だ。外出先でモバイル機器を使っている間、家にあるパソコンは使われずに寝ているのだ。それをリモートで利用すると、パソコンが1台で2役になる。ヘビーな作業は家にあるパソコンに任せてしまい、外出先では、その作業を〝見ているだけ〟でいい。ハードにかかるコストが軽減される上に、OSやソフトも1つで済むのだ。これまでは、高価で重いモバイルノートを持ち歩いていたことを考えると、ある意味で、とても画期的な考え方だ。

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戸田 覚[ビジネス書作家]

1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、有限会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。
著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)、『LinkedIn人脈活用術』(東洋経済新報社)など多数がある。
著者ブログ:http://www.toda-j.com/weblog/
株式会社アバンギャルドHP:http://www.avant-garde.jp/


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