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SNSの“いいね!”が気になって仕方がない。そんな気持ちの裏で、実は脳内である異変が進んでいるかもしれない。集中力の低下、落ち着きのなさ、衝動的な行動……。それは、ある病気の特徴と驚くほど一致している。スマホに依存する人々の頭の中で、何が起こっているのか?※本稿は、アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳『多動脳 ADHDの真実』の一部を抜粋・編集したものです。

ADHDの人は刺激がないと
退屈で楽しくない

「学校でみんなが面白いと思うようなことが自分には退屈で退屈で……だからわざと騒いで授業の邪魔をしたり、友達の髪を引っ張ったりした。今考えると、反応が欲しかったんだと思う。じゃなきゃ退屈で死にそうだったから。今でもそう。常に何かに夢中になっていないと生きている実感がない」

 長年の間にこんな話を何人のADHD患者から聞いてきただろうか。全員が口をそろえて「いつも退屈だった」と言う。刺激が少な過ぎて、それを埋め合わせるために意識してかせずにか、あらゆる手を使った。それでも何かあるとすぐに集中が途切れてしまう。

 ADHDだと報酬系(編集部注/人間をやる気にさせる、脳の奥深くにある豆ほどのサイズの脳細胞の集まりのこと)が活性化しにくいわけだが、だからこそ常に報酬系を活性化させようとしている。

 なにしろ報酬系こそが、やることなすことすべてのエネルギー源なのだから。無意識のうちにも絶え間なく周囲をスキャンし、ドーパミンのレベルを上げてくれるものを探してしまう。

 では、脳でドーパミンのレベルを上げてくれるものとは具体的には何だろうか。人によっても違うが、多くの人のドーパミンレベルに勢いをつけてくれるのは次のようなものだ。