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出口治明の提言:日本の優先順位

日本人は意外なほど
「ワーク」より「ライフ」を大切にしている

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第125回】 2014年9月11日
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 8月25日、政府は2014年度の国民生活に関する世論調査の結果を公表した。いくつか興味深い項目が見られるので紹介してみたい。

生活満足度は7割超だが
3人に2人が将来に不安と回答

 まず、「去年と比べた生活の向上感」であるが、「向上している6.0%(+1.1%、カッコ内は対前年比、以下同じ)」「同じようなもの 72.9%(▲4.9%)」「低下している 20.9%(+4.1%)」という結果となった。同じようなものと答えた人が5%減少し、1%が向上、4%が低下、と明暗を分けた形となっている。5人に1人が低下したと答えているということは、市民レベルではまだアベノミクスの経済効果が十分に浸透しているとは言い難いということを示しているようだ。

 「現在の生活に対する満足度」では、「70.3%(▲0.7%)」が満足と答えているが、所得・収入の面ではその割合が「44.7%(▲3.2%)」、資産・貯蓄の面では「37.3%(▲5.2%)」と大きく低下する(この2項目では不満と答えた人が5割を超えている)。これに対して不満と答えた人は「29.0%(+2.4%)」であった。

 次に「現在の生活の充実感」をたずねたところ「充実感を感じている 73.1% (▲0.6%)」「充実感を感じていない 25.7%(+1.0%)」という結果となった。市民はどんな時に充実感を感じるのだろうか。「仕事にうちこんでいる時」と答えた人の割合は34.5%(▲2.8%)でほぼ3人に1人という形となった。

 これに対して「家族団らんの時 50.8%(+0.9%)」「友人や知人と会合、雑談している時 45.5%(+1.6%)」「ゆったりと休養している時 45.4%(+0.9%)」「趣味やスポーツに熱中している時 44.1%(+2.5%)」となっており、明らかに市民は実際の人生の上ではワークよりライフを選好しているように思われる。

 「日常生活での悩みや不安」については「悩みや不安を感じている 66.7%(+0.6%)」「悩みや不安を感じていない 32.6%(▲0.3%)」という結果が出た。市民の3人に2人が悩みや不安を抱えているということになる。その内容を見ると、「老後の生活設計について 57.9%(+2.6%)」「自分の健康について 49.7%(▲2.7%)」「家族の健康について 41.9%(▲1.3%)」「今後の収入や資産の見通しについて 41.0%(+1.0%)」「現在の収入や資産について 35.2%(+3.0%)」がトップ5となった。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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