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採用活動から業界の常識を覆した
展示ディスプレー業界の風雲児
博展社長 田口徳久

週刊ダイヤモンド編集部
【第85回】 2009年9月10日
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博展社長 田口徳久(撮影:相川大助)

 きっかけは母の死だった。

 当時、27歳だった田口徳久は、アルバイトをしていた縁もあって、大学卒業後そのまま現在のリクルートに入社、転職雑誌の営業を担当していた。

 学生時代、「社会に出るのがとにかくいやだった」という田口だが、営業先でクライアントの社長などに会うたびに、営業のおもしろさ、そして会社経営の魅力にとりつかれていった。

 そんな矢先のこと、小さな会社を立ち上げた父を、まさに二人三脚で支えてきた母が病で亡くなってしまう。その直後、父が言った。

 「手伝ってもらえないか」

 当時、父は7人の大工を従え、企業が開催する展示会のブースやディスプレーを制作する会社を経営していた。といっても、実態は広告代理店の下請け。広告代理店から仕事を丸投げされ、展示会場を設計、設営していくのが主な仕事だった。

 幸い、仕事はコンスタントに入ってくる状態で、社員が食べていけるくらいの稼ぎは十分あった。そこで田口は、どうせ継ぐならと大きな賭けに出る。

 リクルート時代に培ったセンスとノウハウを生かし、新卒者の採用に乗り出したのだ。当時の展示ディスプレー業界の人材は大工が中心で、デザイナーも経験者を中途採用するのが業界の常識。田口は、そんな常識を打ち破る冒険に打って出たのだ。

 しかも半端な人数ではなかった。社長就任と同時に高卒を8人雇って社員数を一気に2倍にし、その後、大卒も次々と採用。社員数は毎年25%ずつ増えていった。

 「新規事業のアイディアがあったわけではなく、優秀な人材さえ雇えば、必ず事業は生まれてくるという自信があった」

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