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顧客には見えない水面下で行われている
モバイルプライバシーにおける難題

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【第33回】 2014年9月16日
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マーティン・
キーン
ガートナー リサーチディレクター

 今から旅に出ると想像してほしい。あなたは飛行機の非常口列の座席でシートベルトを締め、マイリー・サイラスの最新曲を楽しんでいる。すると、客室乗務員があなたのイヤホンをつつき、「非常口列の座席に座っていることをご承知ですか?」うんぬんと尋ねてきた。

 さらにその後、こう続ける。「お客様の口頭でのご了承が必要です」

 うなずいたり、親指を立てたりしてはダメだ。肩をすくめたり、イヤホンを付け直したりしてもいけない。心の底からはっきりと、客室乗務員に面と向かって「はい。了承しました」(英語の場合“Yes, sir, I understand.”)と答えるほかないのだ。

 ここで、デジタルマーケターが先の例と同様の、確実な同意を私たちに要求したらどうなるか考えてほしい。彼らと同じように、さまざまな過度な要求を承諾するように求められた時、おそらく顧客は完全に拒絶してしまい、モバイルマーケティングは失敗に終わるだろう。

 ほとんどのモバイルアプリは、ご丁寧にもあらゆる種類のデータの共有について事前に私たちの同意を求めてくる。これに同意しなければアプリは作動しないと考え(実際は同意なしでも動作するが)、私たちはデータの共有に容易に同意してしまっている。同意事項の一つには、私たちの位置情報が含まれる。たとえば、あるアプリを使った後、別のアプリを利用するとしよう。別のアプリを使っている時も、最初に起動させたアプリがおそらくまだ動作していて、あなたの位置データを収集して広告主の本社に送信していることを理解しているだろうか? 理解していないかもしれないが、それは、あなたがデータの共有に「同意」したから起こった現象なのだ。

 さて、クロスデバイス識別に関する問題をここで紹介しよう。目下これは注目のトピックであり、スタートアップ企業や有名企業とやり取りする際に連日のように話題に持ち上がっている。その流れに乗り遅れまいと、これらの企業の多くが積極的かつ十分な資金を投じた取り組みをしている。

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