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個人投資家は「為替リスク」をどう扱うべきか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第346回】 2014年9月17日
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専門家でも意見が分かれる
当面のドル円相場の行方

 現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(9月20日号)の122ページに、「ドル円相場の大転換点はいつか?」と題する対談記事が載っている。対談されているのは、ドイツ証券チーフ為替ストラテジストの田中泰輔氏とJPモルガンチェース銀行債券為替調査部長の佐々木融氏である。お二人とも外国為替の世界では、名前の通った一流の専門家と言っていい。

 お二人の見通し及びその詳しい理由についてはぜひ記事を読んでいただきたいが、当面のドル円の為替レートに対する見方は、お2人の間で方向が真逆に食い違っている。

 共に慎重な前提条件付きだが、田中泰輔氏は米国の景気が強いと読んでドル高・円安方向を予想され、佐々木融氏は米国のインフレ率や賃金上昇率が低位であることなどから金融緩和政策が意外に長く継続する可能性などを指摘して、円高方向への揺り戻しの可能性を見ておられる。

 気楽な第三者の立場から一言述べるなら、為替レートはいったん方向が決まって動き出すと、意外に大きく動くものだ。お二人とも、動きの幅について随分慎重な意見を述べておられる。

 もっとも、為替でも株価でもそうだが、近い将来の価格予想を平均的に見て的中率が高いのは、「現値」(現在の価格)である。つまり現在の価格には、現在利用可能な情報が相当程度反映されている。そして、市場参加者の売り・買いが拮抗しているから、現在の価格が形成されているとも言える。

 また、原理的に言って、将来の価格を大きく動かす要因はこれから表れる情報であり、それは現在の時点では知り得ない。

 個人であってもプロの投資家であっても、現実的に特定の為替レートの予想が当たることを前提にした賭けは難しい。問題は、自分がやろうとしていることがどういった意味を持つ賭けなのかを理解していない人が多いことだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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