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「引きこもり」するオトナたち

必ずしも「発達障害=アスペルガー」ではない!
“大人のADHD”の人が直面する理解されない辛さ

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第214回】 2014年9月25日
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週刊ダイヤモンド9月27日号の第2特集「増加する大人の発達障害 職場はどう向き合うか」

 週刊ダイヤモンドの今週号に掲載された、『増加する大人の発達障害~職場はどう向き合うべきか~』という16ページにわたる大特集の取材執筆に携わった。

 おそらく活字週刊誌で、雇用の現場に向かって、「大人の発達障害」への理解と対応の入門編を、特集としてこれだけ大きく取り上げたのは、初めての試みだったのではないか。

 当連載でも、これまで「大人の発達障害」の話題をたびたび掲載してきた。

 中でも、2010年3月の「成績優秀なのに仕事ができない“大人の発達障害”急増の真実」の記事には400万以上、2012年2月の「成績優秀なのに仕事ができない“大人の発達障害”に向く仕事、向かない仕事」の記事にも、100万を超えるアクセスが寄せられている。それだけ「大人の発達障害」は、身近な問題として関心が高いのだろう。

同じ発達障害でも全く異なる
「アスペルガー症候群」と「ADHD」

 いま改めて取材してみると、“職場のトラブルメーカー”や“困った人”として見られがちな「大人の発達障害」という概念も、少しずつ整理されてきたように思える。

 発達障害とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがあるために、社会性、コミュニケーション力、想像力の欠如など、様々な特性が際立ってしまうという疾患だ。

 大きく分類すると、アスペルガー症候群などの「自閉症スペクトラム(ASD)」や、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、「学習障害(LD)」がある。

 ところが、世間では発達障害というと、いまもアスペルガーのイメージだけで捉えられていることが多いという。

 アスペルガーには、コミュニケーションや対人関係、社会性の障害、パターン化した行動、趣味・関心の偏り、不器用といった特性があり、ADHDは、不注意(集中できない)、多動・多弁(じっとしていられない)、衝動的に行動するという違いがあるといわれる。ただ、そうした能力の凸凹からくる特性は個人差が大きく、同じ障害があると診断された人同士でも、似ていないように見える。大人になったらなくなるという間違った解釈もされてきた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


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「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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