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メディア激動時代を読む 山口一弥

日本のメディアにも統合によるコングロマリット化は不可欠だ

山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]
【第6回】 2008年3月13日
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 アメリカで、よく耳にした言葉に「メディア・コンセントレーション」がある。直訳すると「媒体の集中化」となる。アメリカのメディアを占うキーワードを1つ選べと言われれば、間違いなく、この「メディア・コンセントレーション」を挙げてみたい。では、改めてメディアの集中化とは、どのような意味なのだろうか。定義としては以下の2つで使われる。

(1)ある地域における特定の媒体の占有率が高い状況
(media concentration of covering)
(2)ある特定資本が複数のメディアを所有する状態
(media concentration of ownership)

 私がアメリカで触れたのは圧倒的に(2)の意味で使われていた。では、どうしてメディア・コンセントレーションが引き起こっているのか、ということだが、ひとつは「規制緩和」もうひとつは「経済効率性」と考えられる。

 「若者の活字離れ」、「テレビのCMスキップ」、「無料コンテンツの増加」などにより、活字メディアや地上波放送局などの既存媒体のビジネスモデルは急激に陳腐化した。

 1996年の連邦通信委員会(以下FCC)による通信規制緩和がきっかけとなって、競争政策が取られたことにより、既存メディア企業は経済効率性実現のため、相乗効果が最大に発揮されるべく事業強化を目的に、「メディア・コンセントレーション」が進み、売却・買収を繰り返した結果、「メディア・コングロマリット」を形成するに至ったといわれる。

 メディアの多様化による利用者の選択肢の広がりは既存媒体にとって資本を集中しなければ多角的な事業展開ができなくなりつつあるためだ。
現在、世界には、「タイム・ワーナー」「ディズニー」「ニューズ・コーポレーション」「ベルテルスマンAG」「NBCユニバーサル(ゼネラルエレクトリック)」「CBS」「バイアコム」の7大コングロマリットが世界のメディアの約90%以上のシェアを占めているといわれる。

世界7大メディア・コングロマリット

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山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]

立教大学卒。広告会社を経て、新聞社勤務。新聞広告、インターネット広告等の営業を担当。2006年から2007年にかけてコロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員。


メディア激動時代を読む 山口一弥

インターネットは新聞・放送といった既存メディアの在り方をも変えつつある。メディアの世界で、今、何が起きようとしているのか、その最前線を追う。

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