経営のためのIT
【第27回】 2014年10月10日
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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

20年に一度のテクノロジー大転換期が来た
だからこそ、企業には長期のIT計画が必要だ

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企業で活用するIT技術は常に弛まない進化を遂げているが、現在は大きな転換点に直面しているといえる。過去の技術動向を振り返りつつ、今まさに起こっている大きな潮流について解説する。

企業ITの歴史を辿る

 今まさに起こっている、そして今後予想される技術革新を考えるにあたって、これまでの企業IT分野における変遷を概観しておこう。

 世界初の商用コンピュータは、1951年の「UNIVAC-I」とされる。また、今からちょうど50年前の1964年に登場した「IBM System/360」は、アーキテクチャを統一して「汎用コンピュータファミリ」との概念が確立され、以後にメインフレームと呼ばれるコンピュータの主流となった。

 また、1970年代から80年代になると、ビジネス分野ではオフコン(ビジネス・ミッドレンジ)、科学技術や制御分野ではミニコン/スーパーミニコンの利用が拡大した。この頃の業務用途としては、経理や給与処理といった個別の事務計算に利用されたり、銀行のオンラインシステムなどの業界固有の専用システムに活用されるのが中心であった。

 1990年代にはオープンシステムの台頭によるダウンサイジングが進み、クライアント/サーバ型が主流となる。この頃からERPの普及が始まると同時に、電子メールやグループウェアによってネットワーク接続されたコンピュータによるコミュニケーションや情報共有への活用が進んだ。

 さらに、2000年以降のインターネットの急速な普及により電子商取引(Eコマース)への取組みが盛んになり、企業内システムにおいてもWeb技術の活用が浸透する。また、2010年以降は、クラウド・コンピューティングの普及が加速する(図1)。

 ここで注目すべき点は、技術進展のサイクルが短縮化していることである。我が国の主要な情報通信メディアにおいて世帯普及率が10%を超えるまでにかかった年数は、郵政省通信利用動向調査によると、電話が76年であったのに対し、ファクシミリは19年、携帯電話が15年となり、インターネットにいたってはわずか5年となっている。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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