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戦略の教室
【第14回】 2014年10月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
鈴木博毅

戦略は人間の弱さを突け!
ナポレオンが攻撃力を高められた秘密
歴史から学ぶ勝ち抜くための戦略

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フランス革命戦争において、怒涛の勢いで勝利を収めたナポレオンの軍隊にはどのような秘密があったのか? そこには「人間の基本的な弱さ」を知り尽くした、秀逸な戦略が隠されていた。今回は現代ビジネスにも応用できる、勝利をつかむための戦略を解説する。

人間は、本来弱い存在だからこそ

 孫子、アレクサンダー大王から最新のアダプティブ戦略まで、過去3000年間の戦略を俯瞰すると、特定の戦略は「人間の基本的な弱点」に注目していることがわかります。

 アレクサンダー大王は東方大遠征で何度も部下の進軍への意欲を駆り立てなければなりませんでした。勇猛果敢なマケドニア兵士たちさえ、聞いたこともないような遠方まで出征する意義を理解できず、進軍を止めて故郷に帰りたがったからです。

 フランス革命以前は、貴族の命令で傭兵の軍隊が戦闘をしており、雇われて戦う兵士たちは自分の利害と関係ない雇用主による戦争で傷つくことを避け、どちらかと言えば激戦になることを意図的に避けるような緩慢な戦闘を繰り返しました。

【人間の基本的な弱さを示す6つの例】
(1)今までやっていたことをスパッと切り替えられない
(2)人の情熱は続けることが難しい(特に挑戦的なことは)
(3)他人から無理に命令されたことに情熱を傾けられない
(4)複数同時に目標を追いかけることが苦手
(5)時間が経過すると過去の失敗を都合よく解釈する
(6)目標のための組織ではなく、組織のための目標を作り上げる

 今まで上手くいってきたことから手を離すのは誰にも難しく、人間が機械ではなく生きているがゆえに、ひとりの人間は複数同時に目標を追いかけることはどうしても苦手です。

 上記の6つの基本的な弱点は、感情と自我のある人間であれば誰もが(程度の差はあれ)持っているものです。逆に言えば、それに気付いた戦略家は人間の基本的弱点を突くことで勝利を得る方法を繰り返し、相手の弱点に乗じることで優位を築いてきたのです。

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鈴木博毅 

1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略書や戦争史、企業史を分析し、ビジネスに活用できる新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。顧問先には顧客満足度ランキングでなみいる大企業を抑えて1位を獲得した企業や、特定業界で国内シェアNo.1の企業など成功事例多数。日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代ビジネスマン向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』(ダイヤモンド社)は14万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に、『企業変革入門』『シャアに学ぶ逆境に克つ仕事術』(日本実業出版社)、『戦略の教室』(ダイヤモンド社)、『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』(マガジンハウス)、『実践版 孫子の兵法』(プレジデント社)、『この方法で生きのびよ』(経済界)、『君主論』(KADOKAWA)などがある。

 


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