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なぜ「NG」から一転して「認定」へ?
ノンアルコール飲料のトクホが誕生した背景

工藤 渉
【第1回】

 9月上旬、サッポロビールと花王の2社が特定保健用食品(トクホ)の許可申請をしていたノンアルコール飲料2製品について、消費者庁は「不適切」との答申を覆し、トクホの表示を認めることにした。ノンアルコール飲料としては初のトクホが誕生することになりそうだ。

 なぜノンアルコール飲料のトクホ申請に、難色が示されていたのか。これらの清涼飲料水が、わざわざ「ノンアルコール」と分類されるのは、味やパッケージなどが既存の酒に近いからである。法律上は未成年が飲んでも構わないのだが、「飲酒を始めるきっかけになる可能性」を考慮して、酒類と同じ棚に並べられることも多い。

 本年8月の段階で国の消費者委員会の答申が、「社会的見地からの判断」で「トクホとして不適切」としたのも、まさにこの理由からである。「酒は百薬の長」とはいうものの、酒自体がトクホとして認められることはありそうにない。では事実上、その代替品であるノンアルコール飲料はどうなのか、が今回の争点だった。

 ノンアルコール飲料に「飲酒を始めるきっかけになる可能性」があるのなら、そこにトクホの「健康にいい」イメージを与えるのはよろしくないとの意見にも一理ある。過去には「カプセル形状が医薬品とまぎらわしい」とする消費者委員会の判断を根拠に、トクホ許可が下りなかった例もある。今回も同委員会の判断を受け、ノンアルコール飲料のトクホ誕生はならないだろうとの見方が有力だった。

 酒の代替品として飲まれている点を考慮すれば不適切、あくまでアルコールを含まない清涼飲料水という点に着目すれば適切ということになる。消費者庁の判断は後者だったわけだ。ただし、「未成年者に悪影響が出ない配慮が必要」としたあたり、消費者委員会の面子もつぶしてはいない。

 今回トクホ表示が認められた2製品の商品名や発売時期は未定だが、サッポロビールが「食物繊維(難消化性デキストリン)の働きで糖の吸収を穏やかにする」、花王が「茶カテキンを豊富に含み、エネルギーとして脂肪を消費しやすくする」という旨を謳っている。血糖値や体脂肪値が気になる人にとって、アルコールを控えるだけでなく、プラスアルファの効果も期待できる。

 ただし、どのトクホにも言えることだが、一定の効果を国から認められた食品とはいえ、劇的な効果をもたらすものではないし、多く摂ればいいというわけでもない。極端な話、ビールの代わりにトクホのノンアルコール飲料を選んでも、食事の量が倍ならあまり意味はない。

 今回の経緯から、たとえば難消化性デキストリンや茶カテキンを含む酒の可能性を考えてみた。トクホではないので、宣伝では健康について一切触れられないが、「口コミ」で評判が広がるのである。

 だが、消費者としては焼酎をトクホの茶で割れば事足りるし、メーカーもわざわざグレーな商品を開発したくはないだろう。やはり酒は、いわゆる健康とは無関係に「百薬の長」の位置にあるのがお似合いだ。

(工藤 渉)

参考URL

●健康や栄養に関する表示の制度について(消費者庁)

●特定保健用食品の表示許可手続きについて(消費者庁)

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