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高橋洋一の俗論を撃つ!

成長戦略・規制緩和は
経済成長に寄与するか

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第104回】 2014年10月16日
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 本日のコラムは、編集部からいただいたお題「成長戦略・規制緩和は経済成長に寄与するか」にしよう。

成長会計とは

 そこで、まず成長会計を紹介しよう。その上で、成長戦略・規制緩和の内容を明らかにして、成長戦略・規制緩和の位置づけをみてみよう。はじめの部分はオタクっぽい分析であるが、鬱陶しい人は飛ばしていただいても構わないが、こうした分析部分をきっちり理解しない人は、騙されやすいということを指摘しておこう。

 成長会計とは、実質GDP成長率を、その内訳に注目して成長の要因を明らかにしようとするものだ。生産に当たっての生産要素として資本と労働、それら以外の残差要素を技術(全要素生産性)と考え、コブ=ダグラス型の生産関数を仮定すると、実質GDP成長率は、次のようになる。

実質GDP成長率=資本分配率*資本伸び率+(1-資本分配率)*労働伸び率+技術進歩率

 これで、経済成長を資本、労働、技術進歩に要因分解できることとなる。

 この成長会計を使って、ここ30年程度の経済成長が何にもたらされたのかを分析してみよう。

 実際のデータを当てはめて、理論を応用するときに、注意点が必要だ。資本では、資本投入量なので、資本ストック(内閣府「資本ストック統計」)に稼働率(経産省「鉱工業指数」)を加味しておく。労働は、労働力人口(総務省「労働力調査」)に失業率(総務省「労働力調査」)と労働時間(厚労省「毎月勤労統計」)を加味して算出する。すると、上の成長会計は、

実質GDP成長率
=資本分配率*(資本ストック伸び率+稼働率変動)
+(1-資本分配率)*(労働力人口伸び率+就業変動+労働時間変動)
+技術進歩率
=資本分配率*(資本ストック伸び率+稼働率変動)+(1-資本分配率)*就業変動
+(1-資本分配率)*労働力人口伸び率
+(1-資本分配率)労働時間変動
+技術進歩率

となる。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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