ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
『週刊ダイヤモンド』特別レポート

森ビル・森稔社長が初告白!
「中国は想像以上にやり甲斐がある」

週刊ダイヤモンド編集部
2008年5月26日
著者・コラム紹介バックナンバー

森ビルが全力を投じた「上海環球金融中心」が、いよいよ開業にこぎ着ける。天安門事件にもひるまず、中国ビジネスと向かい合ってきた森稔社長が、苦節14年の問題意識を打ち明ける。(聞き手:『週刊ダイヤモンド』副編集長 藤井一)

森稔社長
撮影:住友一俊

 「上海環球金融中心」は、起工式を3回やってるんですよ。14年間かかってますから、まあいろいろなことがありましたね。

着工当初は、天安門事件の余韻が残っていたから、会う人、会う人に「やめとけ」と忠告されたものです。でも、当時の日系企業はホテルやアパートの一室を借りて仕事をしてましたから、まともなオフィスを提供すれば需要はあると確信していました。「中国政府は信用できない」っていうんだけど、まさかビルを取り上げられるわけじゃないだろうしね(笑)。

 あのとき決断したから、中国政府も歓迎してくれたと思うんです。これだけ大きい開発案件は、普通は合弁でなければ認められません。それをお譲りいただいた。まあ、「独資(外資100%出資)でやらせてくれなければ要らない」っていっぺん帰ったら、すぐ認めるって言ってこられたんだけど(笑)。

 その頃は、まだ株式市場もないに等しかった。なーんにもない場所から国際金融センターをつくるっていうんだから、私は少なくとも20年はかかると考えていた。

 1995年から10年間の上海の変化は、その意味ではすさまじかったですねえ。ビルの上から見ていると、「自転車」ばかり走っていたのに、あっという間に「自動車」だらけになるんですから。

 上海のビルは、何度も設計変更してるんです。コンピュータの2000年問題対応でトレーディングフロアの床を高くしたら、ビルの高さも変わっちゃって、それで世界一を目指すことになった。

 9・11(米国同時多発テロ)の直後は「超高層ビルは危ない」と言われて、飛行機がぶつかっても壊れないように構造設計をやり直したり、小泉(純一郎・元首相)さんの靖国参拝で日中関係が微妙になった頃は、ビルのてっぺんの吹き抜けの形が「日の丸」に似ていると問題になって、丸を「四角」に変更したり(笑)。

 そのつど、政府に相談するんだけれど、彼らも新しい提案は喜んで聞いてくれるんですよね。法規制はあるんだけれど、提案すれば変えてくれるんだから、こっちもやり甲斐があるんです。

 10年で上海はこれだけ変わった。じゃあ、東京はあと10年でどれだけ変われるのかと。東京に国際金融センターを作るという構想がありますが、規制しておいて(外資が)来るわけないじゃないですか。(規制緩和なんて)やればできることばかり。(上海のように)とにかく自由にやらせてくれればいいのにね。

 そういえば、当初、このビルには国際協力銀行の融資も付いていたんですよ。ODAで中国経済発展を助けるためという名目だったんだけど、そのうちに助けるどころか助けてもらうことになりかねないんじゃないですか(笑)。

今週の週刊ダイヤモンド

2017年2月25日号 定価710円(税込)

特集 弁護士・裁判官・検察官 司法エリートの没落

知られざる法曹界の真実

【特集2】
サントリーと創業家
グローバル化への試練

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


『週刊ダイヤモンド』特別レポート

『週刊ダイヤモンド』編集部厳選の特別寄稿と編集部による取材レポートを掲載。本誌と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。

「『週刊ダイヤモンド』特別レポート」

⇒バックナンバー一覧