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戦略の教室
【第15回】 2014年10月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
鈴木博毅

今、必要な「離れる戦略」とは?
歴史ある名門企業でも過去に縛られる謎

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今、日本企業にとって本当に必要な「戦略」とは何か? 古い考え方に固執することをやめ、新しい考え方に切り替えろとはよく言われるが、わかっていても賞味期限切れの考えにしがみついている企業は多い。なぜパラダイムを変えられないのか? 効果的にパラダイム変え「永続する企業」になるにはどうすればいいのか?

戦略とは、現在取り組んでいることの成果を
最大化するだけではない

 一般的なイメージでは、戦略というものの効果は「今、取り組んでいること」の成果を最大化するものと思われています。しかし、実際に様々な戦略を見渡すと、戦略の目指すものとして「現在取り組んでいることから上手く離れる」ケースが少なくありません。

 これは私たちが、今やっていることに固執してしまい、その目標や手法、古い考え方に縛られて失敗をしていることが多いからです。

 過去何度も上手くいっていることに、私たちは知らずに固執しています。その状態を放置していると、離れることを考えなくなってしまうのです。結果として、すでに消費者のニーズから外れた商品を延々と作り続けてしまう、見通しの暗いビジネスを諦めず、昨日と同じ今日を過ごすこと自体が、なぜか目標になってしまうことになります。

 このような危険な惰性は、個人だけではなく組織にも存在しています。一世を風靡したベンチャー企業や歴史ある名門企業でさえ、時に惰性から抜け出せず、足をすくわれてしまった姿は、私たちが日々ニュースとして目にしているところです。過去への固執と惰性は、優れた組織にさえ気づかずに忍び寄る、恐ろしい病のような存在なのです。

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鈴木博毅 

1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略書や戦争史、企業史を分析し、ビジネスに活用できる新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。顧問先には顧客満足度ランキングでなみいる大企業を抑えて1位を獲得した企業や、特定業界で国内シェアNo.1の企業など成功事例多数。日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代ビジネスマン向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』(ダイヤモンド社)は14万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に、『企業変革入門』『シャアに学ぶ逆境に克つ仕事術』(日本実業出版社)、『戦略の教室』(ダイヤモンド社)、『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』(マガジンハウス)、『実践版 孫子の兵法』(プレジデント社)、『この方法で生きのびよ』(経済界)、『君主論』(KADOKAWA)などがある。

 


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