ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊・上杉隆

富士山は噴火しない?
行政とメディアの情報隠蔽は昔も今も

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第9回】 2007年12月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 週刊新潮の記事(「特別読物」300年前の悪夢「富士山」宝永の大噴火)を読んで、約15年前の出来事を思い出してしまった。

 〈「この1万年の中で富士山は100回以上の噴火が起こっているが、空高く噴き上がるほどの大噴火は3、4例しかない。その1つが宝永の噴火で、非常に大規模なものです」と語るのは東大名誉教授で富士山ハザードマップ検討委員会委員長の荒牧重雄氏――(略)〉(週刊新潮/12月13日号)

 宝永の大噴火は1707年12月、今からちょうど300年前の大災害である。

 当時の噴火によって富士山周辺には巨大な火の玉が降り注ぎ、東麓の須走村などは4メートルもの灰に埋まって壊滅したという。大量の溶岩は猿橋まで流れ、噴き上げた火山灰は江戸に到達し、数センチ積もった。

 仮に、現在だったとしたら、どうなるのだろうか。農業、観光業のみならず、ライフラインや交通網が分断され、情報産業や電子化された日常生活への打撃も計り知れない。

 美しい富士は、その雄姿とは裏腹に、その内奥には強烈な悪夢の可能性を秘めている。

富士山噴火の可能性を問うと
「風説の流布」呼ばわりに

 今年6月、富士山は世界遺産の暫定リスト入りを果たした。山麓に点在する富士五湖を含めた一帯の登録も検討されている。富士北麓の樹海はすべて溶岩の跡で、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖なども、噴火によって流れ出た溶岩が作り出した火山湖である。

 その最東端に位置する山中湖は、風光明媚で、観光客の途絶える冬の美しさは息を呑むほどだ。1980年代末からの約5年間、その自然美に魅せられた筆者は、山中湖村民として湖畔に居を構えていた。

 80年代前半まで、富士山は〈死火山〉と呼ばれていた。ところが、筆者が山中湖に住み始めた頃には、こっそりと〈休火山〉に変わっていた。理由は、日本列島にはそもそも〈死火山〉はない、という学術的な見解の変更に伴うものであった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く

「お腹の調子が悪い」と政権を投げ出した安倍首相。「あなたとは違うんです」と逆ギレして職を辞した福田首相。そして漢字と空気が読めず政権崩壊寸前の麻生首相。この国の政治の混迷とメディアの体たらくを上杉隆が斬る。1500円(税込)

話題の記事

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


週刊・上杉隆

永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。
2011年12月終了、後継新連載「週刊 上杉隆」はこちら

「週刊・上杉隆」

⇒バックナンバー一覧