これまで、医療・介護分野で必要とされる労働力について述べてきた。以下では、国際的な観点から、この問題を考えよう。
日本の人口当たり医師数は少なく、
看護師数はほぼ平均
医師数や看護師数を国際的に比較すると、日本はどのような位置にいるだろうか? まず、医師数を国際比較すると、日本は先進国の中では低い部類に属する。
OECD諸国の人口1000人当たりの医師数は、図表1に示すとおりだ。日本は2.3人であり、韓国のつぎに低い。
アメリカが2.5人、イギリスが2.8人、カナダが2.5人、ベルギーが2.9人であることを除くと、表に示した国は3人を超えている。オーストリア、ノルウェーでは4人を超えている。
人口1000人当たりの看護師数は、図表2に示すとおりだ。日本は10.0人であり、OECD34ヵ国の平均8.8人よりは多くなっている。