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「健康マーク」食品で健康になれるわけじゃない!
厚労省が抱える矛盾と疑わしい本気度

――消費者問題研究所代表・垣田達哉

垣田達哉 [消費者問題研究所代表、食品問題評論家]
2014年11月7日
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来年4月から始まる健康マーク
厚労省「これだけでは健康になれない」

来年4月から基準を満たした商品に表示される「健康マーク」

 来年4月、塩分量やエネルギー(カロリー)量などの国が示した基準値を満たした弁当や総菜に、「健康マーク」を表示することが許可される制度がスタートする。スーパーマーケットやコンビニ、宅配から外食産業まで、どんな業種業態であろうと基準を満たせば健康マークを表示することができる。

 今月16日に公表された厚生労働省の「日本人の長寿を支える健康な食事のあり方に関する検討会」の報告書によると、この認証制度は「消費者は、分かりやすいマーク(適切な情報)をもとに選ぶことで、手軽に「健康な食事」の食事パターンに合致した料理を入手し、組み合わせて食べることができる」一方、「小売業や外食産業は、作り手の優れた技術により質を保証した料理を提供し、そのことをマーク(適切な情報)で表現できる」とある。

 マークが表示された食品や料理が、健康な食事のパターンに合致するということは、「国が認証した健康マークの食品を食べていれば、健康で長生き(長寿)できる夢のような制度」に思えるが、健康はそんなに簡単に得ることはできない。

 認証マーク制度を作った厚労省も「マークが表示された食品を食べれば健康になれるということではない」とハッキリ言っている。厚労省に問い合わせると、まず「健康マークという言い方はしてほしくない」という。「では、どう呼んだらいいのか」と聞くと、『「健康な食事」の普及のためのマーク』だという。中間を省略すれば健康マークになるが、厚労省は「そんな省略はしていない」という。「それでは長いから、短く呼べないのか」というと、「決まっていない」という。

厚労省自身の矛盾
1日の目標摂取量の確保は困難に?

 厚労省は、健康マークと呼ばれることで、消費者が「マークが表示されたものを食べれば健康になれる」と誤解するのを警戒しているのだ。

 そもそも厚労省や国は、以前から健康21や食事バランスガイドなどで、1食分ではなく1日分でのバランスのとれた食生活を推奨している。しかも、年齢や運動量の差による違いも考慮した食事摂取基準を示している。

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垣田達哉[消費者問題研究所代表、食品問題評論家]

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、BSE、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。生鮮食品の実態や自給率問題、健康食品などの加工食品、食品表示偽装、JAS法の品質表示、食品衛生法の添加物や栄養表示、景品表示法の不当表示といった食品関連だけでなく、POSシステム、物流システム、バーコードシステムにも精通している。

 


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