ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

就活生に人気の東京海上や三井住友海上
保険よりも株高円安で稼ぐビジネスモデルへ変貌か

高田直芳 [公認会計士]
【第144回】 2014年11月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 数年前に、ゴルフのホールインワン保険に加入した。インターネットで申し込んだものなので、毎年、電子メールで更新の通知が届き、マウスをカチカチと操作するだけで手続が終わる。

 保険代理店での対面交渉であれば、雑談などで1時間は浪費するのだろうが、ネットであれば数分で終わる。ダイレクト系(ネット)損害保険が急速に普及している理由なのだろう。

 保険業界から流布した用語に「モラルハザード」がある。「保険に加入すると、保険の対象となる事故を避けようとする適切なインセンティブを持たなくなる」(『スティグリッツ・ミクロ経済学』第4版482頁)ことをいう。

第124回コラム(ユニクロ編)で、シートベルトの義務化がドライバーのモラルを低下させ、交通事故件数をかえって増加させている、という話を紹介した。それと同根である。

 ゴルフ場へ行くたびに「今日こそは、ホールインワンを目指すぞ」と、モラルハザード全開なのだが、いまだに一度も「事故」に遭遇したことがない。グリーン横にあるバンカーや池の「おいで、おいで」の誘惑に負けてしまうようだ。

 今回は、ホールインワン保険の「手数料負け」に多少の恨みを抱きつつ、損害保険業界を扱う。本連載では、第81回コラムで東京海上ホールディングス(以下、東京海上HD)と、T&Dホールディングス(太陽・大同・T&Dフィナンシャル生命)を扱って以来だ。

第81回コラムで、「3メガ損保」のうち東京海上HDしか扱わなかったのは、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(以下、MS&AD)と、損保ジャパン日本興亜ホールディングス(以下、損保HD)の経営統合の日が浅く、決算データが十分でなかったからだ。なお、各社の略称については、カッコ内のものでご了承願いたい。

 十分なデータが揃ったからといって、2014年6月期までの業績推移を並べてみると、保険・銀行・証券などの金融業界の業績は、「相変わらず安定しないな」と呆れてしまう。第114回コラムで扱ったメガバンクしかり、第109回コラムで扱った楽天しかり。

 ROAやROEを並べた月並みの分析で終わるかどうかは、分析する側の腕次第だといえるだろう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

------------ファイナンスの基礎知識が満載!------------
  ★高田直芳ホームページ『会計雑学講座』


公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

「公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略」

⇒バックナンバー一覧