では、トレーニーの思いを解きほぐすには、どうすればいいでしょうか。3つのパターンを挙げましょう。

 

「やる必要がない目標」を「やるべき目標」に変換する

これには、「なぜ目標のストレッチが必要なのか」という意味合いを、本人に認識させる必要があります。

(例)
自組織の課題と結びつけてストレッチの意味合い説明する(成果目標)
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「うちの部署は早急に○○から○○へシフトする必要があるので、ぜひ○○に取り組んで欲しい」

(例)
本人の成長にとっての意味合いを説明する(学習目標)
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「○○さんが希望する○○の担当となるためには、今のうちに○○を経験しておくといいんじゃないか」

 

「できない目標」を「できる目標」に変換する

 これには「やればできそうだ」という自己効力感を本人に植え付ける必要があります。

(例)
仕事を因数分解し、具体的な作業レベルで「できそうだ」と実感させる

 

「やりたくない目標」を「やりたい目標」に変換する

 これには「ストイックな修行」ではなく、「エンジョイメントの体感」の要素があることを認識させる必要があります。

(例)
難しい目標・課題に取り組むやりがい・面白さや、それを達成したときの喜び・充実感といった「エンジョイメント」の部分を伝える

 日本人は「あうんの呼吸」を重視しがちなため「言わなくともわかるはず」と考える傾向にあります。しかし、育て上手のマネジャーほど、目標の意味をしっかり説明することがわかっています。手間を惜しまず、丁寧に目標の持つ意味を説明することで、部下のやる気を引き出しましょう。