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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

アリババを率いるジャック・マーこと
馬雲氏の発言に見る日本企業再興へのヒント

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第235回】 2014年12月4日
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 この頃、世界的に注目を浴びている中国企業がある。通販サイト「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」を手掛けるアリババだ。9月19日のニューヨーク証券取引所上場は世界最大規模の上場となった。手にした資金は約250億ドル。日本のメディアが「中国ネット業界の巨人がついに世界に向けて動き出した」と表現する。ちなみに、サイト上での取引量を示す今年4~6月の流通総額は、日本の大手である楽天の約18倍もある。

中国の「独身の日」11月11日の売上は
アメリカの感謝祭セール5日間の倍近く

 遊び心からできた中国のショッピングデーとも言える11月11日の「光棍節(独身の日、最近は双11節と呼ぶようになった)」には大型セールイベントが行われ、1日24時間の総取引額が前年実績の58億ドルを大きく上回る93億ドルに達した。「13年の米国の感謝祭(ブラックフライデーとサイバーマンデーを含む5日間)に記録した53億ドルをも大きく超える規模となった」とも報じられている(電通報)。

 ここまでの規模になると、アリババを統括する創業者の馬雲氏は自然に注目の人物となった。APEC首脳会議と双11節の大型セールが終わった直後の11月19日、水郷として名高い浙江省烏鎮で、中国が主催する「第1回世界インターネット大会」が開幕した。馬雲氏も出席し、スピーチした。このインターネット大会に、世界100近くの国・地域から1000人以上がゲストとして集まり、国外からの参加者には、GSMアソシエーションのAnne Bouverot会長、クアルコムのポール・ジェイコブス会長、リンクトイン創始者のリード・ホフマン氏らが名を連ねている、という。

 馬雲氏のスピーチには、いろいろ考えさせられたところがあるので、私が感心したその一部をかいつまんで紹介したい。

 まず、馬雲氏はアリババの成功の秘訣があるとすれば、それは失敗からの学習だと強調した。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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