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デジタル流行通信 戸田覚

PC価格暴落のなか、“デザイン勝負”のアップルは勝ち続けられるか?

戸田 覚 [ビジネス書作家]
【第69回】 2009年3月23日
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 PC価格の暴落ぶりは新聞などでも報道されており、ご承知の方も多いだろう。それは、「不況で売れないから」という理由が大きいが、単に販売店が苦し紛れに値下げをしているだけではない。

 「業界全体として低価格方向に向かっている」というのが事実である。

 PCには、共通のパーツを使うのが普通だ。CPUや液晶、メモリなどは専業のメーカーが製造しており、PCメーカーはパーツを購入して組み立てている。

 正確に言うなら、組み立ても別の会社に任せ、製品の企画・設計や販売だけをしているメーカーも少なくはない。つまり、パーツの価格がPCの売価を大きく左右するのだ。

 特にここへ来て暴落しているのが、液晶の価格だ。PCの部品の中で、は、液晶、CPU、OSがコストの大半を占めている。ネットブックが安く売れるのは、CPUとOSが低価格に設定されているからだ。

 ところが、いわゆる「A4ノート」もネットブック並みの価格になりつつある。こちらは、液晶の値下がりによるところが大きい。

 ユーザーは非常に賢く、安いだけのPCはあまり売れていない。安くて品質のよいPCが売れているのだ。特にデザインや質感を重視したモデルの人気が高い。

 10年ほど前なら、安いパーツを組み合わせただけのモデルも売れていたのだが、今は時代が変わった。メーカーは、限られたコストの中で必死の企業努力を重ねるしかないのだ。

 そんな中で、デザインで成功しているのがアップルだ。「WindowsのPCと一律に比較するのはおかしい」と考える方も多いだろうが、いまや各部のパーツはほぼ共通化されている。大きく異なるのは、OSなどソフトウエアの部分だけだ。

 アップルのビジネスモデルが際立っているのは、同じ形のPCを腐らせずに長く売り続けることだ。3月に新製品が登場したiMacは、2007年の夏に初登場している。

 また「Mac mini」に至っては、05年の夏に登場している。「MacBook」も延々とポリカーボネイトのモデルを売り続けており、いまだに最廉価モデルは同じボディを利用しているのだ。

 ボディをモデルチェンジするサイクルが長ければ、コスト的には非常に優位になるが、目新しさは薄れていくので、売りづらくなって来る。

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戸田 覚[ビジネス書作家]

1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、有限会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。
著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)、『LinkedIn人脈活用術』(東洋経済新報社)など多数がある。
著者ブログ:http://www.toda-j.com/weblog/
株式会社アバンギャルドHP:http://www.avant-garde.jp/


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