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金融市場異論百出

近隣国との距離感に惑う台湾に
「日本ブランド」の商機あり

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年12月8日
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 台湾ドルは円に対しては上昇しているが、対米ドルでは12月初めに過去4年の最安値を更新した。

 米国でFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げをするという観測に伴って、エマージング(新興国)経済から資金が流出しているのに加え、台湾の統一地方選挙で与党の国民党が大敗した衝撃が表れている。海外投資家にとって台湾経済の魅力の一つは、政治の安定にもあったからだ。

 与党大敗の理由は馬政権に対する有権者の強い不信感と、同政権が推し進めた中国大陸との経済関係強化への警戒感にあるだろう。テレビや新聞が香港の民主化運動を連日報じていたことも心理的に影響したものと思われる。

 近年の中国政府は台湾政府および同財界に手厚い対応を示してきた。中国本土で、あるトラブルに悩まされていた日本企業が中国に対応を要請してもらちが明かず困っていたところ、台湾政府関係者に口利きを頼んだら問題が即解決した、という話さえある。

 しかしながら、中国政府が台北のエリート層や大企業に“優しい”態度を取り続けても、台湾国民の間での親中感情はなかなか改善しない。そこで中国側では「三中一青」を狙えという議論が起きていた。経済発展の恩恵をあまり受けていない中流層、中南部地域、中小企業、そして世代的には青年層を懐柔すべきという戦略である。

 しかし、その効果が出る前にそういった人々が今回の選挙で与党にノーを突き付けた。

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