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加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

台湾地方選で国民党惨敗
中国民主化と中台関係へどう影響するか

加藤嘉一
【第40回】 2014年12月2日
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 先週末台湾で行われた統一地方選挙、及びそこから発生する政治情勢は、本連載のテーマである中国民主化問題を考察するうえでフォローアップしておかなければならない。本稿では、(1)選挙過程と結果をレビューし、(2)選挙過程・結果が中国との関係に及ぼす影響をプレビューし、(3)最後に選挙過程・結果が“中国民主化”にもたらすインプリケーションを3つの視角から考える。

地盤のなかの地盤を
失った国民党

 11月29日、土曜日。

 台湾22県市の首長や地方議員らを選ぶ統一地方選挙が投開票された。投票率は約68%。2016年の総統選挙の前哨戦と捉えられていた。

 結果は、首長ポストで国民党が15から6に減らし、民進党は6から13に増やした。肝心な6つの直轄市市長選挙では、国民党が台北市、桃園市、台中市でそれぞれ市長ポストを失った。これによって、民進党が4直轄市、国民党が1直轄市、無所属が1直轄市の市長を押さえるという地方政治構造へと変化した。

 特筆すべきはやはり台北市長選である。

 台北市は1998年以来16年間に渡って国民党が市長ポストを押さえてきた。国民党にとっては地盤のなかの地盤である。国民党が今回擁立した候補は与党・国民党の連戦・名誉主席の長男・連勝文氏。最大野党・民進党は台北市長候補の擁立を見送り、実質的に無所属で医師出身の新人・柯文哲氏を支持した。

 結果は、得票率57.1%:40.8%で柯氏が圧勝。連氏は惨敗だった。

 選挙前の世論調査などを見る限り、この結果自体は予想通りであった。特に、若年層の投票傾向は顕著で、20代の有権者の間では約80%が柯氏を支持していた。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

21世紀最大の“謎”ともいえる中国の台頭。そして、そこに内包される民主化とは――。本連載では、私たちが陥りがちな中国の民主化に対して抱く“希望的観測”や“制度的優越感”を可能な限り排除し、「そもそも中国が民主化するとはどういうことなのか?」という根本的難題、或いは定義の部分に向き合うために、不可欠だと思われるパズルのピースを提示していく。また、中国・中国人が“いま”から“これから”へと自らを運営していくうえで向き合わざるを得ないであろうリスク、克服しなければならないであろう課題、乗り越えなければならないであろう歴史観などを検証していく。さらに、最近本格的に発足した習近平・李克強政権の行方や、中国共産党の在り方そのものにも光を当てていく。なお、本連載は中国が民主化することを前提に進められるものでもなければ、民主化へ向けたロードマップを具体的に提示するものではない。

「加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ」

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