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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

大川小第3回弁論、原告側現場検証申請で真相究明へ
石巻市は変わらず「津波想定できなかった」と反論

池上正樹 [ジャーナリスト],加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]
【第43回】 2014年12月9日
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仙台地裁で行われた裁判の3回目の弁論に、遺族15人が揃った
Photo by Yoriko Kato

 3年半前に起きた東日本大震災で、児童74人と教職員10人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校の惨事。これを巡り、児童の命を守る義務があった学校が事前の防災体制の不備や危険回避を怠ったなどとして、23人の児童の遺族19家族が、市や県の責任を問う国賠請求等の裁判を起こしている。本格的な冬が訪れたばかりの12月9日、仙台地裁(高宮健二裁判長)で第3回弁論が開かれた。

生存教諭・校長・指導主事らの証人申請を
遺族側が提出

 原告側は、この日、現場検証を求める検証申立書を提出した。具体的には、大川小学校の校舎や校庭、裏山の各避難ルート、釜谷交流会館、ポンプ小屋、地蔵尊、大川小学校に近接する北上川、富士川、三角地帯、(地域の人が多く避難した)整備工場、(児童が学校行事で裏山に植樹を行っていた)バットの森、釜谷トンネル等、その周辺道路等を検証先に挙げた。

 こうした検証によって、校庭に避難していた児童は、容易に避難が可能だった事実を明らかにしたいとしている。

 また、原告側は、教務主任だったA教諭や当時の柏葉照幸校長、当時の加藤茂美指導主事らの証人申請を提出した。

 A教諭に対しては、主に津波が到達する前の教職員や子どもたちの行動、柏葉元校長に対しては、津波到来後にとった行動、加藤元指導主事に対しては、子どもたちの聴き取りメモを破棄した状況や「裏山に木が倒れているから避難は困難だった」と述べた根拠を聞きたいという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 

加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]

気象キャスターや番組ディレクターを経て、取材者に。防災、気象、対話、科学コミュニケーションをテーマに様々な形で活動中。「気象サイエンスカフェ」オーガナイザー。最新著書は、ジャーナリストの池上正樹氏との共著『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)。『ふたたび、ここから―東日本大震災・石巻の人たちの50日間』(ポプラ社)でも写真を担当し、執筆協力も行っている。他に、共著で『気象予報士になる!?』(秀和システム)。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。
ブログ:http://katoyori.blogspot.jp/


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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