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「引きこもり」するオトナたち

セクシュアル・マイノリティーと引きこもり
異性愛前提の社会に生きづらさを感じる人たち

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第225回】 2014年12月11日
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 投票所への入場券が、自宅に送られてきた。

 封を開けると、性別欄に「男」と記されている。その場で入場券を破り捨てた。

 「異性愛が前提になる社会」に生きにくさを感じる人たちがいる。

 おがさわらたけしさん(35歳)も、その1人。東武東上線沿線の埼玉県東松山市在住で、「おがたけさん」の愛称で親しまれている、ネット上のひきこもり界隈では、ちょっとした有名人だ。

おがたけさん

 選挙のとき、投票所に行けば、自己申告で照合して投票することもできる。ネットには「投票に行きましょう」「投票は国民の義務です」「投票行かない人は、ダメな人です」といった書き込みも溢れている。しかし、

 「性別欄に“自身の性別とされているもの”が表記されなければならない社会であることや、誰にでも見える形で男女のボタンが係の人に押されることに、痛みを覚える人のこと、考えていますか?それによって、投票に行かない、行けない人たちもいるんですよ…」

 生まれつき「男性身体持ち」で、好きになる相手は男性。また自分の「男性でも女性でもない性自認」を「Xジェンダー」と表明するおがたけさんは、そう問いたくなるという。

 こうした「セクシュアル・マイノリティー」の話題が最近、注目されるようになった。

 セクシュアル・マイノリティーとは、社会においてある種の性のありようが非典型的とされるために、アンフェアな扱いを受けている人達を指して言う言葉だ。「性的少数者」「ジェンダーマイノリティ」「性的マイノリティ」などと呼ばれることもある。

 「LGBT」も、セクシュアル・マイノリティーに含まれる。LGBTとは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)などの頭文字の略だ。

 実は、このセクシュアル・マイノリティーが抱えさせられる生きづらさも、「引きこもり」の背景にある要因の1つとしてリンクしている。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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