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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

政府や景気のせいにしても、何も変わらない!
2015年こそ、自信とチャレンジ精神を取り戻そう

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第7回】 2014年12月22日
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 日本企業で不祥事が明るみに出た時に指摘されるのは、危機を察した社員の声が上に届かない組織になっているということ。問題が起きる前に危機に気づく社員はいるはずです。これからの時代、そうした危機情報をいち早く吸い上げ、ダメージを最小限に抑える組織づくりが不可欠です。

 何か問題が起きると、日本では社長など役員が謝って何となく納まるという空気もありますが、米国ではそうはいきません。いずれにしても、その問題がどのくらい致命的な出来事かを早く察知し、適切に対応することが必要です。放っておくと、インターネットを通して瞬く間に世界中に広がり、「日本のダメ企業」というレッテルを貼られてしまうことにもなりかねないからです。

デフレ脱却が見えてきた今こそ、
チャレンジ精神を取り戻す時

 経営者も社員も失敗を恐れることなく、新規事業やイノベーションにチャレンジするためには、社風を変え、土壌をつくる必要があります。

 あなたの会社には、失敗を激しく叱責し、さらには非難する風潮はないでしょうか。イノベーションを起こすには、皆がチャレンジできる環境づくりをしなければなりません。経営者は、「失敗しても、何もしなかった人より評価する」「行動しないよりも行動したほうが面白い」という企業風土づくりに努めるべきです。

 一方、社員としても一度きりの人生なのですから、何もしないでくすぶっているよりも、たとえ転んでも失敗を評価してもらい、思い描いた方向に物事を進めていけたら楽しいじゃありませんか。

 やはり机上の知識は、それだけのもの。本当に役立つのは、実際に体験してわかる知識です。やってみると、予想とはまったく違う状況に直面し、失敗もたくさん経験するでしょう。でも、5回に1回、10回に1回は成功するかもしれない。そのわずかな成功が会社を救う大きな事業につながるのです。

 今から20年前、全盛期のソニーには社内に秘密のプロジェクトがいくつもあり、そこから3.5インチのフロッピーディスクやCD、アイボなど、いくつものヒット商品を世に送り出しました。あの頃は本当に勢いがありましたね。それがコストカットなどを理由に姿を消し、いつの間にかイノベーションが止まってしまったのです。

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齋藤ウィリアム浩幸
[内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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