ヤフーの屋台骨を10年以上にわたって支えてきた検索連動型広告の時代がいよいよ終わりを迎えている。スマホ時代の広告ビジネスをどこまで取り込めるか、正念場を迎えている。
10月29日、ヤフーの2014年度第2四半期の決算発表会のこと。プレゼンテーションをしていた宮坂学社長は、急に声のトーンを変え、発表資料のスライドに挟み込まれた一文を読み上げた。
「スマートフォン時代でも利用されているか?」
スクリーンには次々と、ヤフーの主力サービスに占めるスマートフォン比率が高まっていることを示す資料が映し出される。それらを基に宮坂社長は、パソコンやインターネットの隆盛と共に築いてきた地位を、新たなスマホ時代でも維持できることを説明し始めた。
主力の検索サービスは、今やスマホからのアクセスが40%強に拡大。ニュースや株価、ショッピングなど各種サービスの中でも上位20位以内のアクセスの50%以上、そしてポータルサイトの月間ページビュー(PV)の30%以上もスマホ経由だと続けた。
さらに最近発表した無料のカーナビゲーションアプリ「Yahoo!カーナビ」が公開後3週間で100万ダウンロードを達成したことを紹介。スマホ時代にあって、旧来のインターネットブラウザのみならず、利用が進むアプリの分野でもヤフーは成果を出し始めていると力説した。
同社がここまでスマホ比率を気にするのには、理由がある。パソコン時代の収益源が低下する中、実はスマホの普及によるモバイル広告分野の“追い風”をまだ十分には受け切れていないからだ。
同社の14年度第2四半期決算によると、売上高は1033億円(前年同期比2.5%増)、営業利益は460億円(同7.6%減)となった。高収益体質に変わりはないが、創業から右肩上がりで成長を続けてきた同社は、18年目にして中間決算ベースで史上初めての減益となった。