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高橋洋一の俗論を撃つ!

株価急落!原油&ギリシャ問題の将来予測
原油価格は米国の金融政策で決まる

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第110回】 2015年1月8日
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 昨年の安倍政権の総選挙圧勝で、株価は上がるという、長い目で見た見方がある。ところが、ごく短期の目先をみると、そう一筋縄にはいかないようだ。その典型が、6日の日経平均急落525円安である。

 原油安とギリシャ不安と新聞で書かれている。原油安はこれまで先進国によって恵みの雨だったが、最近アメリカで盛んなシェールオイル産業にはかえってマイナスだ。ギリシャもユーロ離脱ということになると、金融危機再燃になりかねないという不安がよぎる。このように、マスコミや市場関係者は、目の前で起こった現象をひたすら追う。マスコミで報道される市場関係者の言葉は、現象面を見ればその通りだろうが、その本質はなかなか見えないだろう。

 筆者は経済学者なので、現象面ではなく、その本質を考えるのが仕事である。そして、現実の株価の現象を題材にして、その背景にある経済理論を説明することを、しばしば行っている。経済理論が有用なのは、現実面を見通しよく説明できるだけではなく、将来をよりよく予想することができるからだ。このおかげで、筆者は、目先の短期予測はできないが、長い目で見た将来予測はそこそこの打率だ。

原油価格は1バレル50ドル程度が均衡点

 今回も、その絶好の機会でもあるので、将来予測を本コラムで行いたい。結論をいえば、原油安もユーロ問題も根っこには金融政策があり、その動向をみていれば、将来の予測はそれなりに可能だ。現時点では、ほとんどの市場関係者は、この背後にある原理を理解していないので慌てふためくが、そのうち(この時間をいうのはちょっと難しい)、市場関係者もだんだんと理解が進み、たいした事件にならなくなるだろう。

 まず、原油安について、現象面の一般的な解説をすれば以下のとおりだ。

 昨年6月には100ドル/バレルを超えていたが、今や60ドル/バレル前後にまで下がっている。原油価格は2011年から4年まで3年半もの間、100ドル/バレルを超えていた。この高値はこれまでの歴史でなかったことだ。この間、シェールオイルで供給が増える一方、欧州の景気低迷などで需要が低下気味だった。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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