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China Report 中国は今

大挙して米住宅買いに走る中国人
彼らは“世界経済の救世主”なのか

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第24回】 2009年4月30日
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 この10年で富を蓄えた中国人がついにNY、ロサンゼルスなどアメリカ不動産を買い始めた。中国は米国債の世界最大の保有国、その中国が今度はアメリカの住宅のオーナーになろうとしている。

 2月24日、北京発アメリカ行きの不動産買い物ツアーに多くのメディアが注目した。中国人が群れをなして買いに来るのは、アメリカ不動産市場においては初めてのことだからだ。

 中国最大の不動産ウェブサイトである「捜房網」が主催するこのツアーは、中国人の金持ちをロサンゼルス、NY、サンフランシスコ、ボストン、ラスベガスに連れて行き、金融危機で大幅に価格を落としたアメリカの不動産を買わせるというものだ。一体、どんな“富裕層”が参加したのか。北は北京から、南は深セン、広州まで、35~50歳台のニューリッチたちの姿を、「集まったのは民間企業経営者や多国籍企業の管理職、仕入れ目的の不動産人材、参加者の4人に1人はグリーンカードかビジネスビザの保有者だ」と報道は明かす。

米国メディアは
「グッドニュース」と歓迎

 予算は30万~80万ドル。このツアーには5000人が申し込んだが、「実際に買う意思があり、買う能力がある」という条件で512人に絞り込まれ、さらにビザなどの渡航条件に合致ということで絞り込まれた21人が第1陣のツアーを構成した。

 アメリカの住宅市場は壊滅的、390万戸が売りに出されている状況で、50万ドル~100万ドルの予算があれば、抵当流れの物件からコンドミニアムまでが買えると言われている。参加者は2分の1に落ちた戸建やタウンハウスに興味シンシン、だが、投資といえども半数が「アメリカに留学する娘、息子のために」というのが彼らの買い物の特徴で、とりわけ学校へのアクセスには高い要求が出されたという。

 彼らの物色ぶりに辛らつな意見もある。「『子どもをアメリカで育てたいから』とは、いかにも“中国人の親”らしい購入動機。成金丸出しの親バカぶりとしかいいようがない」(上海の有識者)

 ビジネスの成功者が娘、息子の留学のためにアメリカの不動産を買いに来る――、そんな美談に支えられてか、この不動産購入ツアーは歓迎を受け、アメリカの地元政府の高官もわざわざパンダのネクタイを締めて出迎えた。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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