なぜ超多忙なのに
一流の男は毎朝スポーツをするのか

エグゼクティブ秘書が語る「一流の男」の5箇条昔は「社長から三歩下がって…」という印象の強かった秘書。最近では、企業トップのパートナーになれる語学力やスキルと機転も求められている

 一流の男は皆、共通の空気をまとっている。彼らは一様に清潔感があり、いつも爽やかで清々しいニオイがし、常に堂々としているのだ。あの“一流の空気”の源はいったい何なのか。数社の外資系企業で10年間外国人エグゼクティブの秘書を務めた能町光香さんは、「一流の男性が持つ空気の源は、脳にあります」と独自の見解を語る。

「彼らの独特の空気に圧倒されると、人はまず“どんな身なりをしているのか”という自分の見た目との違いを知ろうとします。ですが、長年彼らの秘書を務めた私が感じた一番の違いは、彼らの脳、頭の中です。彼らは常に脳をクリアな状態に保っているから、即座に目の前の問題に集中して、スピーディな決断をすることができる。『自分はいつでも戦える準備をしている』という自信が、堂々とした振舞いや爽やかさにつながるのです」(能町さん)

 一流の男たちは、ビジネスの最前線で一分一秒を争う仕事をしている。その激務をスマートにこなしていくために必要なのは、シャープな意思決定と決断力。『あの件はどうしようか、この件は……』と悩んでいるようでは競合に対して出遅れてしまうから、仕事にならない。それを知っているからこそ、彼らは常に脳をクリアな状態に保つ努力をしているのだろう。

「日中は日本での仕事と、時差のある本社での仕事に追われ、夜は会食や接待。一見すると彼らには、休める時間がないように見えます。でも、一流の男性たちは仕事外の自分の時間を持つことが脳をクリアに保つ唯一の方法だと知っているから、比較的拘束がない朝の時間をダラダラと寝て過ごすようなことはしません。テニスや水泳、ジョギングなどをして体を動かすことで、疲れた脳を一旦“無”の状態にして休ませるのです」(能町さん)

 上司がスムーズに仕事を進めるためのサポートするのが秘書の仕事。秘書時代の能町さんは、ホテルの支配人に頼み込んで早朝にプールを解放してもらったり、朝6時からテニスができるコートを探したりと、彼らのために奔走したそうだ。

 さすが海外エグゼクティブ。これは外国人ならではの考えかと思いきや、現役の社長秘書として某IT企業に勤める女性も、似たような経験をしたことがあるという。

「10キロ程度走って汗をかき、すっきりした状態で出社するのが社長の毎朝の習慣。走らないと頭が冴えないし、シャワーを浴びてお気に入りのソープの香りがした状態じゃないと『シャキッと仕事モードに入れない』とか(苦笑)。長い海外出張で走れない日が続いたある日、ついに我慢できなくなったようで『ジョギング用のシューズを買ってきて!』と頼まれました。車を飛ばしてそんなものを買いに行くことになるなんて……」(IT企業秘書)

 ビジネスの展開がスピーディなIT業界の経営者も、世界を股にかけて飛び回る忙しさは海外エグゼクティブと同じ。最前線で働くビジネスマンは、誰もが自分なりのリフレッシュ法を実践して、いつでも戦える準備をしているということだろう。